研究概要 |
本研究における初年度(平成16年度)の到達目標は(1)反応定数および反応定数の最新情報調査、(2)解析モデルの構築およびプログラミング、(3)希ガスにおけるプラズマ特性の把握であった。 (1)に関しては、主にインターネット上の検索ライブラリを活用した。希ガスにおける電子衝突断面積、中性粒子間衝突の反応定数および光学的遷移過程の最新データを入手することができ、それらは独自にデータベース化している。なお、N_2などの分子性ガスも次年度に向けて整備中である。 (2)に関しては、密度連続式、運動量保存式およびポアソンの式を考慮した1次元および2次元流体モデルによる解析コードを作成した。両解析コードには陰的スキームが導入されており、計算時間の大幅な短縮が実現されている。また、1次元モデルではエネルギー保存式を,2次元モデルでは簡易の熱伝導方程式を考慮しており、それぞれの解析にあわせた設計がなされている。なお、テスト実験におけるプラズマ特性との比較から、各解析コードにおける計算結果の妥当性を確認している。 (3)に関しては、上記で示した解析コードを用いて、希ガスマイクロプラズマ中の荷電・励起分子の挙動や電界変化を当補助金により購入した高速ワークステーションで計算し、ガス種および駆動周波数に対する電圧電流変化やプラズマ構造の違いを詳細に検討した。結果として希ガスにおいても、高周波駆動によるプラズマ密度および電流密度の増加が顕著であり、プラズマ内の加熱を考慮する必要があることを示した。なお、本研究の関連成果は、国内学会(プラズマ科学シンポジウム2005、他)および国際学会(第15回放電とその応用に関する国際会議)にて発表されている。 以上のことから、本研究では当補助金を有効に活用し、確実に到達目標を達成できたと思われる。
|