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2005 年度 実績報告書

分子認識における蛋白質のエネルギー地形階層性と水和構造変化の役割

研究課題

研究課題/領域番号 16041208
研究機関東京大学

研究代表者

北尾 彰朗  東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教授 (30252422)

研究分担者 城地 保昌  東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (30360415)
キーワード分子認識 / 蛋白質 / 水和構造 / エネルギー地形 / 階層性
研究概要

本研究では、昨年度に引き続き「段階的分子認識モデル」が既に示されているアルコール脱水素酵素等を主なターゲットとして以下の3つのことを明らかにすることを目指している。すなわち、(1)分子認識過程のシミュレーション、(2)分子認識過程におけるエネルギー地形の変化、(3)分子認識における水和構造変化の役割、である。
本年度は昨年度に引き続き(1)(2)の解明をまず重点に研究をおこなった。「開」構造で結合ドメインにリガンドが結合した状態(結合中間状態)をシミュレーションの初期構造としてモデリングし、分子動力学シミュレーションを行い、リガンドが存在することによって開閉ドメインが移動し「閉」構造が出現する過程をシミュレートした。このシミュレーションの詳しい解析により、2量体で機能するアルコール脱水素酵素はドメインの動きに相関が見られることが明らかになった。これは一種のアロステリックが効果と考えられる。この成果は現在投稿中である(Hayward and Kitao)。(3)に関しては、これらのドメイン運動と水和構造変化の関係を明らかにするため解析を進行中である。
また、分子シミュレーションを用いて、構造ゆらぎのパターンと非干渉性中性子非弾性散乱実験データの関係を解析し、論文に発表した(Joti, Kitao, Go, J.Am.Chem.Soc, 2005)。これにより150K以下の低温で観測されるボゾンピークの起源は水和によるエネルギー面の微細構造であることを明らかにし、機能と密接に関与しているといわれているガラス転移との関係も示した

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (5件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Amplitudes and directions of internal protein motions from a JAM analysis of ^<15>N relaxation data2006

    • 著者名/発表者名
      Akio Kitao, Gerhard Wagner
    • 雑誌名

      Magnetic Resonance in Chemistry (In press)

  • [雑誌論文] Switch interactions control energy frustration and multiple flagellar filament structures2006

    • 著者名/発表者名
      Akio Kitao, Koji Yonekura, Saori Maki-Yonekura, Fadel A.Samatey, Katsumi Imada, Keiichi Namba, Nobuhiro Go
    • 雑誌名

      Proc.Natl.Acad.Sci. 103(13)

      ページ: 4894-4899

  • [雑誌論文] 生体超分子のユニバーサルジョイント-in silicoで探る細菌べん毛フックのメカニズム,2005

    • 著者名/発表者名
      北尾彰朗, Fadel A.Samatey, 松波秀行, 今田勝巳, 難波啓一
    • 雑誌名

      蛋白質核酸酵素 50(10)

      ページ: 1335-1340

  • [雑誌論文] べん毛による細菌の泳ぎ方と方向転換の分子機構2005

    • 著者名/発表者名
      今田勝巳, Fadel A.Samatey, 松波秀行, 長島重広, 北尾彰朗, 米倉功治, 眞木さおり, 難波啓一
    • 雑誌名

      蛋白質核酸酵素 50(10)

      ページ: 1328-1334

  • [雑誌論文] Protein Boson Peak Originated from Hydration-Related Multiple Minima Energy Landscape2005

    • 著者名/発表者名
      Yasumasa Joti, Akio Kitao, Nobuhiro Go
    • 雑誌名

      J.Am.Chem.Soc 127

      ページ: 8705-8709

  • [図書] Normal Mode Analysis : Theory and Applications to Biological and Chemical Systems, Chapter 122006

    • 著者名/発表者名
      Akio Kitao
    • 総ページ数
      406
    • 出版者
      Chapman & Hall/CRC

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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