研究課題
アミノ酸間に有効ポテンシャルが働くと考える粗視化を行うことにより、桁違いに長時間スケールの計算を実行した。この粗視化シミュレーションを用い、アクトミオシンの長時間運動を計算した。高速化によって大量のトラジェクトリー計算を実行、その結果を統計的に解析し、このモデルにおいてミオシンの一方向滑り運動が実現されていることを示した。また、一方向滑り運動とレバーアーム運動の混在を示し、その機構分析への道筋を明らかにした。さらに、滑り運動の律速となる構造のアンサンブルを同定し、アミノ酸残基の置換が滑り速度に与える影響について、実験と比較可能なデータを収集するための基本的方法を開発した。本研究ではさらに対象を広げ、シグナル伝達に関与する蛋白質としてRAS、カルモジュリン、アロステリック変形を起こす蛋白質としてHPPKを取り上げ、unfold/refoldプロセスの自由エネルギー面を考察することにより機能発現過程を分析する。具体的にはフォールディング研究で使われたWako-Saito-Munoz-Eatonモデルを複数の構造間遷移に適用できるよう拡張し、機能発現に伴う構造転移を分析した。特に、構造転移の遷移状態での構造の乱れやエントロピーの解析にを行い、アロステリック変形、シグナル伝達分子の活性化などの機構を議論した。
すべて 2005 2004
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