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2004 年度 実績報告書

拡張アンサンブル法による蛋白質部分配列ペプチドの構造空間探索

研究課題

研究課題/領域番号 16041241
研究機関長浜バイオ大学

研究代表者

依田 隆夫  長浜バイオ大学, バイオサイエンス学部, 講師 (50367900)

キーワードβヘアピン / 二次構造形成 / コンピューターシミュレーション / 拡張アンサンブル法
研究概要

タンパク質の立体構造は、サブユニット、ドメイン、二次構造などの階層性を持っている。小さなタンパク質の構成要素として各二次構造要素に注目し、水中におけるそれらの振舞いを調べることによって、タンパク質の折れ畳みについての知見が得られると考えられる。そこで、水中のペプチドの分子シミュレーションを行い、結果を解析した。
具体的には、プロテインGのB1ドメインのC末端側のβヘアピンに相当する16残基のペプチド(G-peptide)の、アンフォールド構造を初期構造とした水中の拡張アンサンブルシミュレーション(マルチカノニカルレプリカ交換分子動力学法)を行った。以前の研究から、ペプチドの二次構造傾向性は使用するエネルギー関数(力場)に依存することが分かっている。ここでは、タンパク質研究で多く利用されている力場のうち、AMBER96,GROMOS96,OPLS-AA/Lの3つの力場を使用した。実行したシミュレーションの長さは、合計120〜240ナノ秒である。G-peptideの折れ畳み時間は6マイクロ秒であることが実験的に知られているので、このシミュレーション時間は、実際の折れ畳み時間の25〜50分の1に相当する。拡張アンサンブル法の活用によって、このような短い時間でG-peptideの折れ畳みを観察することが初めて可能となった。また、このシミュレーションの初期条件は、既知の天然構造の情報は一切含まない。
3つのシミュレーションのうち、中程度のβ構造傾向性を持つGROMOS96力場を用いたときに、最も安定に天然のβヘアピンが形成された。
結果の解析から、G-peptideの折れ畳みについて、以下の知見が得られた。
(1)芳香族側鎖の接触が早い時点で起こる。
(2)βシートの長さは、ターン部位に近い2〜3対のブリッジからなるものが比較的安定である。これは、NMRなどの実験結果と矛盾が無い。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Secondary-structure preferences of force fields for proteins evaluated by generalized-ensemble simulations2004

    • 著者名/発表者名
      Yoda, T., Sugita, Y., Okanmoto, Y.
    • 雑誌名

      Chemical Physics 307

      ページ: 269-283

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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