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2004 年度 実績報告書

光解離性修飾基導入による蛋白質の構造と機能の研究

研究課題

研究課題/領域番号 16041242
研究機関京都薬科大学

研究代表者

廣田 俊  京都薬科大学, 薬学部, 助教授 (90283457)

キーワード蛋白質 / 光解離性修飾基 / 蛋白質修飾 / 化学修飾 / フォールディング / 光反応 / 構造形成
研究概要

蛋白質がどの様にして決まった高次構造を形成するかは未だ謎も多い。ストップドフロー法を用いた研究により、蛋白質のフォールディング反応に関して、比較的遅い時間領域での情報は多く得られたが、ストップドフロー法の不感時間である1ミリ秒よりも早い時間領域での知見は依然少なく、フォールディング反応の初期過程を種々の蛋白質で観測できる新しい手法が待ち望まれている。本研究では、蛋白質から光解離する修飾基を用いて、光で蛋白質のフォールディング反応を開始させる新しい手法を提案し、以下の成果を得た。
1.プラストシアニン(PC)のCys84の硫黄原子は銅に配位している。PCから銅を外して得たアポPCのCysの硫黄原子にオルトニトロ、ベンジル基のジメトキシ誘導体を修飾することに成功した。修飾アポPCには、修飾基に由来する355nmの吸収帯が存在し、この吸収帯は蛋白質の吸収からずれているので、光照射による蛋白質の変性を最小限に抑えられた。修飾PCに355nmのパルス光を照射すると、修飾基に由来する355nmの吸収が減少し、同時に、ニトロソ化合物に由来する280nm付近の吸収が増大した。この結果より、光照射により修飾基が蛋白質から遊離したことが判明した。
2.PCのモデルペプチド(N-acetyl-Asp-Gly-Cys)のCysの硫黄原子に、オルトニトロベンジル基のジメトキシ誘導体を修飾することに成功した。修飾モデルペプチドには、修飾基に由来する355nmの吸収帯が存在した。過渡回折格子法を用いて、光を照射したときの反応を調べたところ、解離基の拡散に由来するシグナル成分が観測された。
3.遺伝子操作により、マッコウクジラのミオグロビンにCysを1つあるいは2つ導入し、これらの変異蛋白質を精製することに成功した。これにより、ミオグロビンのフォールディング反応の初期過程を調べる準備が整った。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Hydrophobic effect of trityrosine on heme ligand exchange during folding of cytochrome c2004

    • 著者名/発表者名
      Hirota, S., Suzuki, M., Watanabe, Y.
    • 雑誌名

      Biochem.Biophys.Res.Commun. 314

      ページ: 452-458

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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