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2006 年度 実績報告書

ペア型レセプターによる免疫監視・制御のメカニズム

研究課題

研究課題/領域番号 16043210
研究機関大阪大学

研究代表者

荒瀬 尚  大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (10261900)

キーワードペア型レセプター / PILR / 免疫監視 / 免疫制御 / NK細胞レセプター
研究概要

NK細胞レセプターファミリー分子は、ウィルス等の病原体とともに進化してきたと思われたが、さらに解析を進めることによって、その中には、非常に発現が限られた特殊な自己抗原を認識するものがあることが判明してきた。特に、私どもが新規にクローニングしたPILRはNK細胞や樹状細胞に発現が認められるが、そのリガンドはヘルパー2型細胞への分化過程においてのみ一時的に発現するユニークな新規分子であることが判明した。そこで、本研究ではPILRの機能解析およびそのリガンド検索を行い、PILRのリガンド発現細胞はNK細胞や樹状細胞を強く活性化することが明らかにしてきた(Shiratori et al. J.Exp.Med. 2004)。本年度は、T細胞上に発現するリガンドを解析したところ、リンパ球の活性化制御分子であるCD45を認識することを明らかにした。実際、可溶型CD45はPILRに特異的に結合した。また、今までに多くの抗CD45抗体が知られているが、どれもPILRとCD45の結合を阻害しない。そこで、新たにCD45に対する抗体の作製を試みたところ、ほぼ完全にPILRの認識を阻害する抗体を樹立することに成功した。さらに、抗CD45抗体はPILRのT細胞に対する結合をほとんど完全に阻害した。また、PILRのリガンド認識には特定の糖鎖修飾が関与していることを明らかにした。特に、特定の糖転移酵素の存在により認識が大きく影響されることを明らかにした。以上より、樹状細胞上のPILRはT細胞上のCD45と会合することにより、T細胞の応答を制御していると考えられ、免疫応答の制御する標的分子としてPILRは重要であると考えられた(PCT出願:PCT/Jp2007/053558)。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007 2003

すべて 雑誌論文 (2件) 産業財産権 (2件)

  • [雑誌論文] KIR3DS1, a Gene Implicated in Resistance to Progression to AIDS, Encodes a DAP12-Associated Receptor Expressed on NK Cells That Triggers NK Cell Activation.2007

    • 著者名/発表者名
      Carr H.William
    • 雑誌名

      J. Immunol. 178・2

      ページ: 647-651

  • [雑誌論文] Efficient leukocyte Ig-like receptor signaling and crystal structure of disulfide-linked HLA-G dimer.2003

    • 著者名/発表者名
      Shiroishi Mitsunori
    • 雑誌名

      J. Biol. Chem. 2006

      ページ: 10439-10447

  • [産業財産権] ヘルペスウィルス感染阻害剤、ヘルペスウィルスの感染阻害方法およびその利用2007

    • 発明者名
      荒瀬 尚, 佐藤毅史, 川口寧
    • 権利者名
      荒瀬 尚, 佐藤毅史, 川口寧
    • 産業財産権番号
      特願2007-005229
    • 出願年月日
      2007-01-12
  • [産業財産権] PILRαと結合するポリペプチド、およびそれをコードするポリヌクレオチド、並びにその利用2007

    • 発明者名
      荒瀬尚, 白鳥行大, 前仲勝実
    • 権利者名
      荒瀬尚, 白鳥行大, 前仲勝実
    • 産業財産権番号
      PCT/JP2007/053558
    • 出願年月日
      2007-02-27

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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