研究課題
特定領域研究
somatic hypermutationとクラススイッチがどのようにコントロールされて起こるかを理解するためにAlDの活性を制御するコファクターのクローニングを試みている。これまでのAID変異体解析からAIDにはN末にsomatic hypermutationを担うドメインが、C末にはクラススイッチを担うドメインがある事を明らかとした。AIDが可変領域やスイッチ領域にDNA切断を特異的に導入できるのは、酵素活性中心であるAIDを反応の場にリクルートするコファクタ-が行なうと考えている。そのようなコファクターの単離が領域特異的DNA切断活性のメカニズムを知る上で重要となる。今回AIDのN末及びC末に物理的に結合するAIDコファクターの単離を大腸菌two hybrid法で試みた。AIDをベイトにcDNAライブラリ-をそれぞれ1000〜100万クローンをスクリ-ニングした。スクリーニングの結果、B細胞で発現しおり、大腸菌two hybridのレベルでAIDとの結合が示された候補が30遺伝子程度同定された。これら候補のうち遺伝子がクラススイッチやsomatic hypermutationの特異性を説明しうる候補8つについてほ乳類細胞で、共発現後の免疫沈降を行なった所、すべての候補がAIDに結合する事が示された。次にクラススイッチの人工基質とAIDを導入したNIH3T3細胞を用いて候補遺伝子のknock down実験を試みた。knock downの効果はRT-PCRでmRNAレベルを測定し少なくとも試した3つうち2つは1/10程度まで発現を抑制できた。試した候補遺伝子8つのうち6つはクラススイッチを阻害しなかったが、2候補のsiRNAはクラススイッチを阻害した。クラススイッチは、細胞周期や転写、翻訳といったより一般の機能にもリンクした現象といわれている。siRNAで候補の発現をknock downした結果クラススイッチ効率が下がった事はその候補がクラススイッチに関与する事を強く示唆する。
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