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2004 年度 実績報告書

リンパ球ホーミングを支配する高内皮細静脈に特異的な細胞動員シグナルの形成と制御

研究課題

研究課題/領域番号 16043235
研究機関大阪大学

研究代表者

田中 稔之  大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (30217054)

キーワード高内皮細静脈(HEV) / リンパ球ホーミング / ケモカイン / ケモカイン結合分子 / CXCL13 / BLC / 細胞接着 / 細胞外基質 / mac25 / angiomodulin
研究概要

【目的】高内皮細静脈(HEV)はリンパ球ホーミングの制御を通じて免疫監視の場の形成に必須の役割を担う。本研究ではHEVに発現するケモカインとケモカイン結合分子によって形成されるリンパ球動員シグナルの制御機構と免疫監視システムの場の形成における意義を明らかにするために解析を進め、以下の成果を得た。【結果と考察】(1)HEVに発現するCXCL13/BLCはB細胞のarrest chemokineとして機能する:我々はHEVに発現するCXCL13がB細胞ホーミングに重要な役割を担うことを報告している。本年度の研究を通じて、CXCL13が生理的なflow条件下でB細胞に作用してLFA-1あるいはα4β7インテグリン依存性にshear-resistantな細胞接着を誘導することが明らかになった。また、CXCL13刺激はB細胞において低分子量G蛋白質Rap1を活性化すること、また細胞接着誘導にはRapLが重要であることが示された。CXCL13はリンパ節HEVの管腔面発現し、CXCL13欠損マウス・腸間膜リンパ節HEVではB細胞接着が特異的に障害されていた。一方、CXCL13の局所投与によりCXCL13欠損HEVにおいてB細胞接着の回復が認められた。これらの結果からHEVに発現するCXCL13はB細胞に作用するarrest chemokineであることが初めて示された。(2)HEVとその近傍に発現するmac25/AGMやECMはケモカイン提示分子として機能する:mac25/angiomodulin(AGM)および細胞外基質(ECM)蛋白質とケモカインの結合特異性を表面プラズモン共鳴法を用いて解析した。その結果、mac25/AGMおよびfibronectin, collagen IVはCCL21,CXCL12,およびCXC13と結合するが、CCL19とは明らかな結合活性を示さなかった。また、変異CCL21を用いた解析から、CCL21とこれらの結合にはCCL21のC末端に存在する塩基性アミノ酸クラスターが重要であることが示唆された。Time-lapse解析の結果、これらのケモカイン結合分子に捕捉されたCCL21はリンパ球の遊走反応を誘導することが示された。これらの結果から、mac25/AGMやECM蛋白質がHEVとその近傍でケモカイン提示分子として機能することが示された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Endomucin, a sialomucin expressed in high endothelial venules, supports L-selectin-mediated rolling.2004

    • 著者名/発表者名
      ^*Kanda, H., ^*Tanaka, T.et al.(^*equal contribution)
    • 雑誌名

      Int.Immunol. 16

      ページ: 1265-1274

  • [雑誌論文] Lymphocyte trafficking across high endothelial venules: Dogmas and Enigmas.2004

    • 著者名/発表者名
      Miyasaka, M., Tanaka, T.
    • 雑誌名

      Nat.Rev.Immunol. 4

      ページ: 360-370

  • [雑誌論文] Molecular determinants controlling homeostatic recirculation and tissue-specific trafficking of lymphocytes.2004

    • 著者名/発表者名
      Tanaka, T. et al.
    • 雑誌名

      Int.Arch.Allergy Immunol. 134

      ページ: 120-134

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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