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2004 年度 実績報告書

クロマチン制御を介した免疫細胞の分化や細胞機能の調節機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16043240
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

谷内 一郎  独立行政法人理化学研究所, 免疫転写制御研究チーム, チームリーダー (20284573)

キーワードエピジェネティックス / クロマチン / エンハンサー / サイレンサー / TCR遺伝子 / CD4遺伝子 / Runxファミリー
研究概要

ある特異なクロマチン構造はエピジェネティックな機構により細胞分裂を超えて保存される事で、遺伝子発現パターンの維持に重要な役割を果たすと考えられる様になった。しかしながら、クロマチン制御が、高等生物の発生分化や免疫といった高次機能の維持に果たす役割は未だ不明である。本研究課題ではCD4やTCRβ遺伝子をモデル遺伝子とし、主に遺伝子改変マウスを研究材料に用いて
1.遺伝子不活性化、活性化においてクロマチン構造が修飾される分子機構
2.クロマチン制御を介した免疫細胞の分化制御とその意義
を明らかにするべく研究をおこなった。
CD4サイレンサーを介した転写抑制機構では、Runx1のC-末端のVWRPY配列を欠損する変異マウスやRunx3 Tgマウスの作製・解析を行い、Runx1のVWRPY配列がCD4転写抑制に重要な機能を果たす事、Runx3の発現のみではCD4サイレンシングの誘導には不十分である事を明らかにした。
またTCRβ遺伝子の活性化では、Eβエンハンサー内のRunx結合配列に変異を導入したマウスを作製・解析した。Runx1の欠損やRunx結合配列の変異によりTCRβ遺伝子の初期活性化が起こらない事が観察され、Runx1がRunx結合配列に結合する事がEVエンハンサー機能に重要である事を明らかにした。一方、成熟T細胞では、Eβエンハンサーの欠損でTCRβ遺伝子の発現は低下するが、Runx1の欠損はTCRβ遺伝子の発現に影響せず、Runx結合配列は遺伝子初期活性化と活性化の維持では異なる機能を持つと考えられらた。また、Eβエンハンサー欠損のTCRβ遺伝子の発現低下への影響は、未熟胸腺細胞と成熟T細胞で異なり、T細胞の成熟過程でのクロマチン修飾により、TCRβ遺伝子の安定な発現維持が行われる可能性が考えられた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2005 2004 その他

すべて 雑誌論文 (5件)

  • [雑誌論文] Shared and distinct roles mediated through C-terminal subdomains of Acute Myeloid Leukemia/Runt-related Transcription Factor molecules in murine development2005

    • 著者名/発表者名
      Fukushima-Nakase Y
    • 雑誌名

      Blood (印刷中)

  • [雑誌論文] Epigenetic gene silencing by Runx proteins2004

    • 著者名/発表者名
      Taniuchi I
    • 雑誌名

      Oncogene 23

      ページ: 4341-4345

  • [雑誌論文] The CD4/CD8 Lineage Choice : New Insights into Epigenetic Regulation during T Cell Development2004

    • 著者名/発表者名
      Taniuchi I
    • 雑誌名

      Advances in Immunology 83

      ページ: 55-89

  • [雑誌論文] CD4サイレンサーによるエピジェネティックサイレンシング2004

    • 著者名/発表者名
      谷内 一郎
    • 雑誌名

      細胞工学 23

      ページ: 1162-1165

  • [雑誌論文] Genetic Evidence supporting selection of the Va14i NKT cell lineage from double positive thymocyte precursors

    • 著者名/発表者名
      Egawa T
    • 雑誌名

      Immunity (印刷中)

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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