研究課題/領域番号 |
16043241
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
西村 仁志 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (00283440)
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研究分担者 |
吉開 泰信 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (90158402)
矢島 俊樹 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (20346852)
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キーワード | CD30L / メモリーCD8T細胞 / セントラルメモリー / エフェクターメモリー / リステリア / CCR7 / リンパ組織 |
研究概要 |
CD30L遺伝子欠損(KO)マウスにListeria monocytogenes EGD株1x10^4cfuを腹腔内に感染させ、経時的に臓器内菌数を測定した。抗原特異的メモリーCD8T細胞の検出は、L.monocytogenes由来listeriolysin 0(LL0)_<91-99>のペプチドを用いたH-2K^dテトラマー染色およびIFN-γの細胞内染色により行った。感染BALB/cマウスからメモリーCD8T細胞を分離し、抗マウスCD30モノクローナル抗体で刺激し、ケモカインレセプターの発現を調べた。感染後12週目にそれぞれのマウスに致死量のL.monocytogenes 1x10^6cfuを感染させ、2日目の臓器内菌数を測定した。感染後1週目のエフェクターの時期において、いずれの臓器においてもLL0_<91-99>特異的CD8T細胞の出現頻度には差異が認められなかった。しかしながら、感染後6週目のメモリーの時期において、CD30LKOマウスの非リンパ組織でTEM(LL0_<91-99>-H2K^<d+>CD62L^-CD44^+ CD8^+)の著しい集積が認められたがリンパ組織ではTCM(LL0_<91-99>-H2K^<d+>CD62L^+CD44^+ CD8^+)が減少していた。感染後12週目を経ると、CD30LKOマウスで脾臓、リンパ節内のLL0_<91-99>特異的メモリーT細胞の減少が認められた。また、再感染防御能を調べたところ、コントロールマウスに比較して、CD30LKOマウスにおいて再感染防御能が低かった。最後にCD30L/CD30からのシグナルによるTCM細胞産生の機序を調べるために、メモリーCD8T細胞をin vitroで抗CD30抗体で刺激したところ、CCR7遺伝子の発現が高まった。以上の結果からCD30Lによる刺激がTEMからTCMへの分化に関与し、その機序としてCD30L/CD30からのシグナルがCCR7の発現を誘導する可能性が考えられる。
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