研究課題/領域番号 |
16043246
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
松野 健二郎 獨協医科大学, 医学部, 教授 (20094047)
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研究分担者 |
史 常徳 獨協医科大学, 医学部, 助手 (80296152)
上田 祐司 獨協医科大学, 医学部, 助手 (10364556)
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キーワード | コンジェニックラット / 再循環リンパ球 / trafficking / クラスター形成 / 樹状細胞 / transmigration / アロ抗原提示 / GvH病 |
研究概要 |
1.再循環リンパ球を静脈内移入すると、投与後30分でリンパ節の高内皮細静脈や脾臓の辺縁洞を越えT細胞領域に遊走した。本研究のコンジェニックラットの組み合わせでは、ホストの免疫応答が起こらず、再循環リンパ球traffickingの生理的モデルとして極めて有用であることが明らかになった。応用として、このラットを用いて腸移植の系を解析した(発表論文2)。 2.長期観察すると、投与後6ヶ月後でもドナー細胞はホストリンパ組織T細胞領域に多数存在し、ホストのMHCII陽性細胞と高頻度にクラスターを形成していた。このことから、恒常状態でも再循環リンパ球はリンパ組織を巡回する際に樹状細胞と必ず接触を繰り返し、抗原情報をチェックしているものと思われた。コンジェニックラット肝移植後3-12ヶ月の組織を作成し比較すると、やはりドナー肝由来細胞が少数だが有意に存在していた。 3.抗原投与時について、マウスHSV感染時モデルを作成し、形質細胞様DC前駆体が、CXCL9とEセレクチン依存性に血中から高内皮細静脈をtransmigrationして全身のリンパ節へ直接遊走することを証明した(発表論文1)。 4.GvH病のモデルでの解析。まず、蛍光染多重免疫色法を確立し、4重蛍光観察ができるようになった。これにより、ドナー細胞が投与後24時間以内に主に脾臓T細胞領域でホストDCとクラスターを形成、直接感作を受ける現場を明らかにした。ドナー細胞は1-3日間で増殖分化し、キラー細胞として、血行性にホストの粘膜固有層や肝臓に集積し、そこでさらに在住DCと会合して二次応答をおこし、標的組織を傷害することが強く示唆された。これは、2の抗原情報チェック機構が、移植抗原提示の現場になり、GvH病のエフェクター細胞を誘導したものと考えられる(投稿準備中)。
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