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2005 年度 実績報告書

神経細胞におけるグリア増殖因子の膜輸送機構

研究課題

研究課題/領域番号 16044222
研究機関京都大学

研究代表者

瀬原 淳子  京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (60209038)

研究分担者 栗崎 知浩  京都大学, 再生医科学研究所, 助手 (90311422)
キーワードADAM / ErbB / メルトリン / メタロプロテアーゼ / 増殖因子
研究概要

神経組織形成において、グリア細胞は神経と接触して存在し、神経突起からの維持刺激がなければ死んでしまう。このような神経において合成され、グリアの分化と維持に必要なグリア増殖因子は、その多くが膜貫通型タンパク質として合成され、膜直上の位置で切断されて、可溶性分子として細胞外に放出される。ADAMファミリーに属する膜型プロテアーゼメルトリンβは、上記膜型グリア増殖因子の切断活性を持ち、グリア増殖因子の時間的空間的な制御を担う機構のひとつとして働いていると考えられる。本研究では、その制御機構のひとつとして、膜型グリア増殖因子が細胞で切断される際、細胞内のどこで切断されるのかを検討し、この切断反応が、細胞表層ではなく細胞内で起こっていることを見出した。まず第一に、蛍光相関法という共焦点顕微鏡で得られる微小空間における分子の拡散速度を計測する手法を用いて、一分子レベルで、増殖因子が切断されるかどうかを見た。GFPでラベルした増殖因子が膜型から可溶型に変換されたときの拡散速度の変化を観察することによって、野生型のメルトリンβプロテアーゼの発現により、細胞内での増殖因子切断が活性化されることを示すことができた。変異型プロテアーゼの発現では、そのような切断が観察されないことから、その反応がメルトリンβのプロテアーゼに依存することがわかった。第二に、膜分画を比重によって分け、どのような分画でこの反応が起こっているかを、生化学的に確かめることができた。このように、一分子レベルで、膜分子の切断を観察することができたことの意義は大きいと考える。現在、そのような切断の生物学的な意義を検討している。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2006 2005 その他

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] ADAMメタロプロテアーゼと疾患2006

    • 著者名/発表者名
      正木めぐみ
    • 雑誌名

      炎症と免疫 14(2)

      ページ: 31-38

  • [雑誌論文] The acetylcholine receptor γ-to-ε switch occurs in individual endplates.2005

    • 著者名/発表者名
      Yumoto, N., et al.
    • 雑誌名

      Biochem.Biophys.Res.Commun. 331

      ページ: 1522-1527

  • [雑誌論文] ADAM12 is highly expressed in carcinoma-associated stroma and is required for prostate tumor progression.

    • 著者名/発表者名
      Peduto, L., et al.
    • 雑誌名

      Oncogene (in press)

  • [雑誌論文] meltrinβと心内膜床形成

    • 著者名/発表者名
      小松紘司
    • 雑誌名

      分子心血管病 (in press)

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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