研究概要 |
KSHV K3,K5によるMHC class Iの抑制機構を解明する目的にて、それぞれの機能的結合分子の探索を行っている。その結果、p50,p34,TBL,200,13568等の分子を同定した。このうち、p50,p34は機能を持つK3あるいはK5に特異的に結合する、あるいは強く結合する事が明らかとなった。さらに、p50の機能を抑制する事により、MHC class Iの細胞内輸送が抑制される事を見い出した。現在、p50への結合のK3機能における意義を追求している。また、それぞれの細胞内局在を観察すると、すべての分子は膜結合分子である事も明らかとなった。現在、それぞれの分子をsiRNAにてknock downし機能への関与の詳細を検討中である。さらに、K3の機能変異体によるMHC class Iのユビキチン化を検討している過程で、ユビキチン化機能を保持しているがMHC class Iのエンドサイトーシスを誘導出来ない変異体を見出した。この結果は、ユビキチン化はMHC class Iのエンドサイトーシスには必須であるが十分でない可能性を示唆しており、さらに詳細な検証を行っている。先に述べた結合分子はそのほとんどが機能未知であるが、一部興味深い細胞内局在を示すものを見出しており、それらの分子の分子、機能同定も進めている。このように、p50等の解析により、トラフィック制御機構において新たな概念を打ち出せる可能性があると考えている。
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