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2005 年度 実績報告書

ラフトからのエンドサイト-シスとシグナル伝達

研究課題

研究課題/領域番号 16044234
研究機関九州大学

研究代表者

田中 嘉孝  九州大学, 大学院薬学研究院, 教授 (20217095)

研究分担者 藤田 英明  九州大学, 大学院薬学研究院, 助手 (80291524)
キーワードメンブレントラフィック / リソソーム / エンドサイトーシス / 脂質ラフト / シグナル伝達
研究概要

本研究は、細胞膜に加えtrans-Golgi network(TGN)あるいはリサイクリングエンドソームのラフトに局在し、N末端の疎水性アミノ酸領域とC末端に付加されたGPIの2ケ所で膜に結合するユニークなトポロジーを有する蛋白質、BST2、のラフト局在化機構及びエンドサイトーシス機構の解析を通して、細胞膜からTGNあるいはリサイクリングエンドソームへのラフトを介したメンブレントラフィックの分子制御機構を解明することを目的としている。
BST2は、HeLa細胞を含む種々のヒト由来癌細胞に発現し、その局在は細胞膜とTGNあるいはリサイクリングエンドソームであった。さらに、これら全てのコンパートメントにおいて、BST2はTritonX-100不溶性画分、所謂ラフトに存在し、これらコンパートメント間をリサイクルしていることが判明した。このようなラフト局在性からBST2の細胞膜からのエンドサイトーシスはクラスリン非依存性の可能性が予測されたが、BST2の細胞膜からのエンドサイトーシスはダイナミンのドミナントネガティブ変異体の発現及びK^+-depletionにより阻害され、BST2はクラスリン依存的な機構によりエンドサイトーシスされることが示唆された。さらに、BST2の様々な変異体を安定発現させたNRK細胞を構築し、BST2の局在及びエンドサイトーシスに必要な領域を検討した結果、GPI領域はラフトへの局在化には必要であったが、BST2の細胞内局在及び動態には必要ではなく、N末端細胞質領域、特に6番目と8番目のチロシン残基がエンドサイトーシスに必要であることが判明した。また、両チロシン残基のエンドサイトーシスシグナルとしての重要性は、Yeast two-hybrid法によるAP-2のμ2サブユニットとの結合に必要であったという結果からも明らかとなった。このように、BST2は一般的なTyrosine-based motif(YXXΦ)とは異なる新たなエンドサイトーシスシグナルを介して細胞膜からクラスリン依存性の機構によりエンドサイトーシスされることが判明した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Involvement of COX-1 and up-regulated prostaglandin E synthases in phosphatidylserine liposome-induced prostaglandin E2 production by microglia.2006

    • 著者名/発表者名
      Zhang, J., et al.
    • 雑誌名

      J.Neuroimmunol. 172

      ページ: 112-120

  • [雑誌論文] The NH_2-terminal transmembrane and lumenal domains of LGP85 are needed for the formation of enlarged endosomes/lysosomes.2005

    • 著者名/発表者名
      Kuronita, T., et al.
    • 雑誌名

      Traffic 6

      ページ: 895-906

  • [雑誌論文] Dorsal root injury induces phospho-p38 mitogen activated protein kinase within monocytes from CNS to PNS, but not induce MKK3 in PNS.2005

    • 著者名/発表者名
      Nomura, H., et al.
    • 雑誌名

      Neuropathology 25

      ページ: 37-47

  • [図書] 細胞生物学実験法2005

    • 著者名/発表者名
      姫野 勝, 田中 嘉孝
    • 総ページ数
      121
    • 出版者
      広川書店

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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