研究課題/領域番号 |
16044247
|
研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
小林 俊秀 独立行政法人理化学研究所, スフィンゴ脂質機能研究チーム, チームリーダー (60162004)
|
研究分担者 |
長谷川 顕子 独立行政法人理化学研究所, 辻本細胞生化学研究室, 研究員 (20332314)
床籠 秀彦 独立行政法人理化学研究所, スフィンゴ脂質機能研究チーム, 研究員 (80391986)
石塚 玲子 独立行政法人理化学研究所, 小林脂質生物学研究室, 研究員 (60342747)
牧野 麻美 独立行政法人理化学研究所, スフィンゴ脂質機能研究チーム, リサーチアソシエイト (20373368)
村手 源英 独立行政法人理化学研究所, スフィンゴ脂質機能研究チーム, 研究員 (30311369)
|
キーワード | スフィンゴミエリン / 脂質ラフト / コレステロール / 脂質プローブ / 膜ドメイン / 膜結合性毒素 / エンドサイトーシス / フリップ-フロップ |
研究概要 |
ライセニンはシマミミズの生産するタンパク性毒素で、スフィンゴミエリンを特異的に認識し、細胞死を誘起することが知られている。上皮細胞におけるライセニンのスフィンゴミエリンへの結合はアピカル面とバソラテラル面で大きく異なっている。これはアピカル面が糖脂質に富むためであることが糖脂質を欠損したメラノーマ細胞の解析により示された。モデル膜の実験から糖脂質はスフィンゴミエリンの局所濃度を変化させることによりライセニンの結合に影響を与えていることが示された。われわれの結果はライセニンがスフィンゴミエリンの膜での存在状態を認識すること、またスフィンゴミエリンの存在状態は細胞により、また同一細胞でも異なった膜により異なっていることを示している。等温カロリメトリーの結果はライセニンは複数個のスフィンゴミエリン分子と化学量論的に結合することを示している。このことは細胞には複数個のスフィンゴミエリンが集合したクラスター(脂質ラフト)が存在することを示している。 コレステロールに富んだ膜ドメインはシグナル伝達、膜輸送などさまざまな膜を介する現象において重要な役割を果たしていると考えられる。ポリエチレングリコールコレステリルエーテル(PEG-Chol)はポリエチレングリコール(50(重合数))を共有結合した両親媒性のコレステロール誘導体である。われわれは蛍光標識したPEG-Chol (fluorescent PEG-Chol, fPEG-Chol)が、ステロール染色試薬であるフィリピンと同様に細胞のコレステロールを染色することを見出した。fPEG-Cholは他の低分子量のコレステロールプローブと異なり細胞毒性が低い。このことを利用してトレース量のfPEG-Cholを用いることにより細胞表面のコレステロールリッチドメインの動態を追うことができた。
|