研究課題/領域番号 |
16044247
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
小林 俊秀 独立行政法人理化学研究所, 小林脂質生物学研究室, 主任研究員 (60162004)
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研究分担者 |
庄籠 秀彦 独立行政法人理化学研究所, スフィンゴ脂質機能研究チーム, 研究員 (80391986)
石塚 玲子 独立行政法人理化学研究所, 小林脂質生物学研究室, 研究員 (60342747)
牧野 麻美 独立行政法人理化学研究所, スフィンゴ脂質機能研究チーム, リサーチアソシエイト (20373368)
村手 源英 独立行政法人理化学研究所, スフィンゴ脂質機能研究チーム, 研究員 (30311369)
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キーワード | エンドサイトーシス / 脂質ドメイン / コレステロール / リゾビスホスファチジン酸 / P-糖蛋白質 / 多剤耐性 / 抗ガン剤 / 糖脂質 |
研究概要 |
P-糖蛋白質は脂質のフリッパーゼであり、また抗ガン剤の細胞外への排除のポンプである。P-糖蛋白質の活性の亢進による多剤耐性ガン細胞の出現はガン治療における大きな壁になっている。糖脂質合成阻害剤であるD-threo-1-pheny1-2-decanoylamino-3-morpholino-1-propanol(D-PDMP)はP-糖蛋白質の活性を阻害することにより多剤耐性細胞を抗ガン剤感受性にすることが知られているが、そのメカニズムはわかっていない。われわれはエンドソーム・リソソームに取り込まれたD-PDMPがエンドソーム特異的脂質であるリゾビスホスファチジン酸(LBPA)の膜構造をpH依存的に変化させることを見出した。LBPAは細胞にとりこまれた低密度リポタンパク質(LDL)の分解に重要な役割を果たしている。D-PDMP処理した細胞ではLDLの分解が低下し、コレステロールエステルの細胞への蓄積、細胞表面のコレステロール濃度の低下を引き起こした。細胞表面のコレステロールの低下はP-糖蛋白質活性の低下を引き起こし、その結果多剤耐性細胞での抗ガン剤の排除の速度は低下した。われわれの研究によりD-PDMPは細胞のコレステロール代謝を変化させることによりP-糖蛋白質の活性を制御していること、またこの活性はD-PDMPの糖脂質合成活性とは無関係であることが示された。
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