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2004 年度 実績報告書

ヒト胎盤形成におけるゲノムインプリント機構の役割について

研究課題

研究課題/領域番号 16045212
研究機関九州大学

研究代表者

有馬 隆博  九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (80253532)

研究分担者 加藤 聖子  九州大学, 生体防御医学研究所, 講師 (10253527)
和氣 徳夫  九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (50158606)
キーワードゲノムインプリント / ヒト胎盤幹細胞 / Dnmt3L
研究概要

本研究では、栄養膜細胞における分化制御機構とゲノムインプリントの胎盤形成での役割を解明することを目的に1)ヒトトロホブラスト幹細胞(TS細胞)の樹立2)Dnmt3L mat-/+のTS細胞の分化機構について解析した。
1)ヒトトロホブラスト幹細胞(TS細胞)の樹立;ヒト栄養膜幹細胞(TS細胞)は未だ樹立されていない。我々は、患者の同意を得て採取した妊娠初期胎盤絨毛組織を酵素処理および濃度勾配法を用いて栄養膜細胞を分離した後、Hoechst染色しFACSでside population(SP)細胞(0.01-0.3%)を分離。さらにCytotrophoblast(CT)および合胞体栄養細胞特異的抗体を用いて細胞免疫染色を行い、SP細胞がCTに存在することを確認した。SPは非SP細胞のRNAと比較し、未分化マーカーの発現亢進と分化マーカーの著しく発現低下を認めたため。幹細胞的性格を有することが示唆された。また、ヒトとマウスのTS細胞における発現パターンは異なることも証明した。
2)ゲノムインプリントの胎盤形成に関わる役割;ゲノムインプリントの部分的獲得障害(maternal methylationの消失)をもたらすDnmt3L^<mat-/+>の胎盤は低形成を示し、胎生9.5日に致死となる。Dnm3L^<mat-/+>マウスの胎盤はアポトーシスを起こすのではなく、細胞分裂の停止により、胎盤の低形成をもたらすことを示した。またこのDnmt3L^<mat-/+> TS細胞(幹細胞)を用い胎盤形成不全の原因解明を行った。胎盤分化に関与するmash2,Gcm1の発現の低下が見られ、インプリント異常が胎盤の分化に影響を及ぼし、胎盤低形成を示すことが確認された。このmutantマウスの解析からインプリント機構が胎盤形成に基づく胎児形成に必須のものであることが実証された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2005 2004 その他

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] インプリントと生殖異常2005

    • 著者名/発表者名
      有馬隆博 他
    • 雑誌名

      Molecular Medicine 42,2

      ページ: 195-200

  • [雑誌論文] K-Ras and H-Ras activation promote distinct consequences on endometrial cell survival.2004

    • 著者名/発表者名
      Ninomiya Y et al.
    • 雑誌名

      Cancer Reserch 64

      ページ: 2759-2765

  • [雑誌論文] ゲノムインプリントと生殖補助技術2004

    • 著者名/発表者名
      上木原哲也 他
    • 雑誌名

      産婦人科の世界 56

      ページ: 271-276

  • [雑誌論文] Epigenetic silencing of the imprinted gene ZAC by DNA methylation is an early event in the progression of human ovarian cancer.

    • 著者名/発表者名
      Kamikihara et al.
    • 雑誌名

      International Journal of Cancer (In press)

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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