研究課題
代表研究者らは、単一細胞レベルでのマウス生殖細胞決定機構の解析系を立ち上げ、生殖細胞決定の際におこる分子生物学的変化を捉える基礎を作り上げた。これをさらに発展させる目的で、我々は単一細胞から偏りなくかつ再現性良く発現遺伝子を増幅し、High density oligonucleotide microarrayにて正確に解析する系を確立、発生3.5日目のマウス胚盤胞が2種の細胞からなることを証明した(Kurimoto et al., Nuc.Acids Res.In the press)。この方法を用いて、発生7.5日目の決定後生殖細胞とその起源を同じくするものの体細胞へと分化した細胞群の遺伝子発現を単一細胞レベルで比較した結果、生殖細胞は特異的な蛋白質リン酸化酵素群、細胞接着因子群を発現し、DNA methyltransferase活性を抑え、また重要なことに形態生成やpattern formationに関わる因子群の発現を強力に抑制していることが判明した。さらに生殖前駆細胞から、時系列に沿い、生殖細胞が決定される過程で起こる遺伝子発現動態の変遷を詳細に解析することに成功し、現在そのデータを検証している。また生殖細胞の最初期に特異的な発現を示し、その決定に重要な役割を果たす遺伝子Blimp1を同定した(Ohinata et al., 2005)。Blimp1欠損生殖細胞からの単一細胞cDNAも作成しており、これを解析することで、Blimp1の生殖細胞形成における役割を決定しつつある。
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