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2005 年度 実績報告書

Zinc finger型転写因子ネットワークによる脂肪細胞機能と形質変換制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 16046205
研究機関東京大学

研究代表者

眞鍋 一郎  東京大学, 大学院・医学系研究科, 科学技術振興特任教員 (70359628)

キーワード脂肪細胞 / 分化 / 転写因子 / メタボリック症候群 / 創薬 / 組織リモデリング / 動脈硬化 / 肥満
研究概要

肥満、特に内臓肥満は虚血性心疾患の重大な危険因子である。レプチンをはじめとするアディポサイトカインの同定に端を発して、脂肪細胞が内分泌器官として重大な機能を持つことが明らかとなり、脂肪細胞がエネルギー代謝だけではなく、血管を含めた多様な臓器に直接的な影響を及ぼすと考えられるようになっている。従って、今後の心血管疾患の発症機構の研究や治療法開発には脂肪細胞機能の制御機構を理解することが重要となる。本研究計画では(1)脂肪細胞分化におけるKLFファミリー転写因子を中心とした転写ネットワークの解明、(2)脂肪細胞大型化に伴う形質変換を制御する転写ネットワークの解析、特にKLFとコファクターの解明、(3)KLFおよびそのコファクターに作用し、脂肪細胞機能を修飾する薬剤の同定を目的として研究を進めた。その結果、従来の研究で同定した平滑筋形質変換に重要な転写因子KLF5が白色脂肪組織の形成に必須であることを示した。その分子機構として、KLF5が脂肪細胞でC/EBPβおよびδによって発現誘導され、発現したKLF5はC/EBPβ/δとともにPPARγ_2の発現を制御することによって脂肪細胞分化を調節していることを明らかとした。っまり、KLF5はこれらの転写因子とネットワークを構成しており、このネットワークの機能が脂肪細胞分化のみならず、病態での脂肪細胞機能制御に重要であると考えられる。また、高脂肪食負荷における肥満の際にもKLF5が重要であること、またその機能として代謝ストレスに対する脂肪機能制御が重要であることを見いだした。また、KLF5がPPARγ_2と相互作用することに着目し、この相互作用を指標として薬剤スクリーニング可能な細胞系の確立を行った。この系を用いて250化合物のスクリーニングを行い、脂肪細胞機能に影響する化合物を複数同定した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] C-reactive protein induces VCAM-1 gene expression through NF-kappaB activation in vascular endothelial cells2006

    • 著者名/発表者名
      Kawanami D
    • 雑誌名

      Atherosclerosis 185・1

      ページ: 39-46

  • [雑誌論文] Synthetic retinoid Am80 suppresses smooth muscle phenotypic modulation and in-stent neointima formation by inhibiting KLF52005

    • 著者名/発表者名
      Fujiu K
    • 雑誌名

      Circulation Research 97・11

      ページ: 1132-1141

  • [雑誌論文] Significance of the transcription factor KLF5 in cardiovascular remodeling2005

    • 著者名/発表者名
      Nagai R
    • 雑誌名

      Journal of Thrombosis and Haemostasis 3・8

      ページ: 1569-1576

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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