研究課題
【研究目的】培養細胞と個体レベルでの知見のギャップを埋めるためIntravital Cell Imaging法を開発し、個体レベルでニューロンおよびグリアのカルシウムシグナルをイメージ化するシステムを構築、虚血時のグリア・ニューロンにおけるグルタミン酸を介したシグナル伝達を検討することを目的とした。【方法および結果】SDラット(体重300g)にてイメージングに適する4血管閉塞モデルを作成。カルシウムイオン指示性蛍光色素であるfluo-3/AM(440μM、2.5μl)を海馬CA1および大脳皮質にmicroinjectionし、ファイバー共焦点顕微鏡(imaging fiberを共焦点スキャナ[CSU21,Yokogawa]とカップルさせたもの)で虚血前後の蛍光像を観察した。一過性(10min)前脳虚血負荷により、脳血流は海馬および大脳皮質共に約30%まで低下。海馬CA1領域では前脳虚血により虚血中からおよび血流再開後20分まで持続的に細胞内Ca^<2+>濃度が上昇していたが、大脳皮質では細胞内Ca^<2+>濃度の上昇は虚血中のみであった。この海馬の特殊性は虚血に対する脆弱性の原因の一つである可能性があり今後の検討を要する。また、electroporation法(10mA、30-40V、2ms-on 98ms-off x 10)によりadult ratにおいて、脳内の任意の部位にin situでCameleon(カルシウムイオン指示性の蛍光蛋白)を発現させることが可能になった。またGFAP陽性細胞に選択的にCameleonが発現するようベクターの組み替えを行った。これらにより、グリア特異的には発現したCameleonによりカルシウムイオン濃度の変化を観察できるようになった。今後、虚血時におけるグリア細胞のカルシウム反応を検討し、上記の海馬の特殊性の原因をグリア細胞に求め検索する予定である。
すべて 2005 2004
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