• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2005 年度 実績報告書

グリア細胞に発現する有機イオントランスポーターの同定とその機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 16047227
研究機関東京医科大学

研究代表者

稲津 正人  東京医科大学, 医学部, 助手 (00297269)

研究分担者 武田 弘志  東京医科大学, 医学部, 教授 (70206986)
キーワードアストロサイト / コリン / トランスポーター / カルニチン / アセチルカルニチン / グリア細胞 / 有機カチオン / RNA干渉法
研究概要

1.コリンは細胞膜の構成成分であるフォスファチジルコリンやミエリンなどの必須分子であり、細胞膜の構造および機能維持に重要な役割を担う有機陽イオンである。脳内においては、神経伝達物質のアセチルコリン合成の前駆物質としても重要な役割を担っている。コリンを輸送するトランスポーターとして、神経系に発現しているCHT1とorganic cation transportersが知られているが、グリア細胞におけるコリン取り込み機構については全く解明されていない。そこで我々は、アストロサイトにおけるコリン取り込み機構について検討を行った。アストロサイトにおけるコリン取り込みは,CHT1およびOCTsを介さない取り込み機構であることが示唆された。また、最近同定されたcholine transporter-like protein 1(CTL1)の発現を確認した。このCTL1の発現をRNA干渉法にてノックダウンすることにより、コリン取り込み作用が抑制された。従って、アストロサイトにはCTL1が機能的に発現しており、コリン取り込みに関与していることが明らかとなった。
2.カルニチンは脂肪酸のβ酸化に必須な分子であり、長鎖脂肪酸と結合してミトコンドリア内に輸送するシャトルとしての役割が知られている。一方、脳内においては、アセチルコリン合成に必要なアセチル基のレベルを調節していると考えられている。本研究では、アストロサイトにおけるカルニチンおよびアセチルカルニチンの取り込み機構について検討した。カルニチンおよびアセチルカルニチンの取り込みは、Na^+依存性でK_m値がそれぞれ103.6および37.8μMであった。これらの取り込みは、カルニチン誘導体や有機陽イオン系薬物により阻害された。アストロサイトにはOCTN2 mRNAのみが発現しており、OCTN1およびOCTN3 mRNAは発現していなかった。また、70kDaのOCTN2蛋白の発現を確認した。RNA干渉法にてOCTN2発現をノックダウンすることにより、カルニチンおよびアセチルカルニチンの取り込みが抑制された。従って、アストロサイトにおけるカルニチンおよびアセチルカルニチンの取り込みは、OCTN2を介していることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] Functional expression of the organic cation/carnitine transporter OCTN2 in rat astrocytes2006

    • 著者名/発表者名
      Inazu, M., Takeda, H., Maehara, K., Miyashita, K., Tomoda, A., Matsumiya, T.
    • 雑誌名

      Journal of Neurochemistry (in press)

  • [雑誌論文] Molecular and functional characterization of a Na^+-independent choline transporter in rat astrocytes2005

    • 著者名/発表者名
      Inazu, M., TaKeda, H., Matsumiya, T.
    • 雑誌名

      Journal of Neurochemistry 94

      ページ: 1427-1437

  • [雑誌論文] Characterization of acetyl-L-carnitine transport in rat astrocytes2005

    • 著者名/発表者名
      Maehara, K., Inazu, M., Takeda, H., Matsumiya, T.
    • 雑誌名

      The Journal of Tokyo Medical University 63,5

      ページ: 401-409

  • [雑誌論文] ラットアストロサイトにおける有機カチオン/カルニチントランスポーター2を介したL-カルニチン取り込み機構2005

    • 著者名/発表者名
      宮下協二, 稲津正人, 武田弘志, 松宮輝彦, 渡邊克益
    • 雑誌名

      東京医科大学雑誌 63,6

      ページ: 463-471

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi