• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2004 年度 実績報告書

小麦胚芽抽出物中に含まれるプロリン脱水素酵素の選択的阻害剤の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16048222
研究機関愛媛大学

研究代表者

森田 勇人  愛媛大学, 総合科学研究支援センター, 助教授 (50274303)

研究分担者 田中 好幸  東北大学, 大学院・薬学研究科, 講師 (70333797)
キーワード小麦胚芽 / 無細胞蛋白質合成系 / プロリン脱水素酵素 / 阻害剤 / アミノ酸選択的標識 / NMR / ^1H-^<15>N HSQC
研究概要

ハイスループットなタンパク質の構造機能相関の解明を行うにあたり、均質なタンパク質の大量調整法の確立は必要不可欠である。これまでに我々は、小麦胚芽抽出物を用いた無細胞タンパク質合成系を利用することで、生理活性を保持したタンパク質大量発現系を確立するとともに、アミノ酸選択的安定同位体標識技術を、プロリン以外の19種類のアミノ酸に対して確立した。
一方、多くの植物では、プロリンとグルタミン酸との間で相互変換を行う系が存在することが知られている。これらの系の存在から我々は、^1H-^<15>N HSQCスペクトルの帰属に基づくタンパク質主鎖の構造情報解析には殆ど影響しないが、^<13>C標識を行うことによる側鎖の構造情報解析においては無視できない影響を与えると予測し、相互変換の系を効率的にブロックする手法開発を行った。
プロリンからグルタミン酸への変換において作用するプロリン脱水素酵素活性を阻害するために、親水性置換基による溶解度向上が図られたヒドロキシキノリン誘導体を用い、タンパク質合成能を阻害しない濃度域における阻害能を評価した。一方、グルタミン酸のプロリンへの変換において作用する2種の酵素のうちP5CRはMg^<2+>等の2価イオン濃度が高いと活性阻害を受けるが、高いマグネシウムイオン濃度下ではタンパク質合成が阻害されるため、もう1つの酵素であるP5CSのオルニチンによる阻害(0.37mM at 50% inhibition)の有効性を評価した。
いずれの経路についても、^<13>C,^<15>N二重標識プロリンならびにプロリン以外の^<15>N単独標識アミノ酸によるHNCOスペクトル測定により評価を行った。さらに、小麦の種類による差異、小麦胚芽を抽出する際の有機溶媒処理の条件による相違、についても検討を行い、これらの検討結果を総合することでプロリンとグルタミン酸の側鎖における選択的標識化技術を完成した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] A novel way of amino acid-specific assignment in ^1H-^<15>N HSQC spectra with a wheat germ cell-free protein synthesis system2004

    • 著者名/発表者名
      E.H.Morita, M.Shimizu, T.Ogasawara, Y.Endo, R.Tanaka, T.Kohno
    • 雑誌名

      J.Biomol.NMR 30

      ページ: 37-45

  • [雑誌論文] Structural basis for distinct roles of Lys63- and Lys48-linked polyubiquitin chains.2004

    • 著者名/発表者名
      T.Tenno, K.Fujiwara, H.Tochio, K.Iwai, E.H.Morita, H.Hayashi, S.Murata, H.Hiroaki, M.Sato, K.Tanaka, M.Shirakawa
    • 雑誌名

      Genes Cells 9

      ページ: 865-875

  • [雑誌論文] Domain structures and characterization of an RNA binding proteins TLS/FUS.2004

    • 著者名/発表者名
      Y.Iko, T.S.Kodama, N.Kasai, T.Oyama, E.H.Morita, T.Muto, M.Okumura, R.Fujii, T.Takumi, S.Tate, K.Morikawa
    • 雑誌名

      J.Biol.Chem. 279

      ページ: 44834-44840

  • [雑誌論文] Characterizatio of RNA-binding properties of three types of Rbp proteins in Anabaena sp.PCC7120.2004

    • 著者名/発表者名
      T.Hamano, S.Murakami, K.Takayama, S.Ehira, K.Maruyama, H.Kawakami, E.H.Morita, H.Hayashi, N.Sato
    • 雑誌名

      Cell.Mol.Biol. 50

      ページ: 613-624

  • [雑誌論文] Identification and characterization of NuhA, a novel Nudix hyrolase specific for ADP-ribose in the cyanobacterium Synechococcus sp.PCC7002.2004

    • 著者名/発表者名
      K.Okuda, Y.Nishiyama, E.H.Morita, H.Hayashi
    • 雑誌名

      Biochim.Biophys.Acta 1699

      ページ: 245-252

  • [雑誌論文] Nature of the chemical bond formed with the structural metal ion at the A9/G10.1 motif derived from hammerhead ribozymes.2004

    • 著者名/発表者名
      Y.Tanaka, T.Kasai, S.Mochizuki, A.Wakisaka, E.H.Morita, C.Kojima, A.Toyozawa, Y.Kondo, M.Taki
    • 雑誌名

      J.Am.Chem.Soc. 126

      ページ: 744-752

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi