研究概要 |
本研究領域では,ヒトの健康に密接に関連する,医学,微生物学の分野における,ゲノム情報の解析研究の成果を社会に広く還元し,われわれの健康の増進,疾患の予防,治療に反映させることを目的としている.さらに,このようなゲノム情報研究の成果を社会に還元していくに当たり,社会との接点において,さまざまな問題を生じる可能性があり,そのような社会との接点についても重点的に研究を行う.平成18年度においては,以上述べたような,領域内には,「ゲノム情報を基盤とした疾患遺伝子の探索・検証と医療への応用」,「臨床データとゲノム情報の統合を基礎とした疾患のシステム的理解と医療への応用」,「ゲノム情報に基づく微生物の有効活用」,「ゲノム解析による微生物病原性の解明」,「ゲノム研究と社会との接点に関係する研究と活動」という5つの研究項目を設置し,計画研究代表者による会議研究発表会を開催した.本年度は,2回の総括班会議を開催し,平成18年度の研究の実施,調査研究の内容,国際シンポジウム開催などについて検討を加えた.ゲノム医学研究について国民の理解,患者および家族の理解を得るための小冊子の企画を行い,「ゲノムから病気に挑む」を発行し,市民公開講座で配布,班員にも配布を行った.総括班内にゲノム医学研究支援委員会を設置し,ゲノムサンプルのリソース収集の支援を実施した.ゲノム研究の成果を社会に還元していく段階で,社会とのさまざまな接点が生じ,その点を研究する「ゲノム研究と社会との接点に関係する研究と活動の研究項目は,他の4研究項目と相互に密接な関連があり連携して研究を進めた.国際シンポジウムについては,統計解析可能な電子カルテとゲノム研究への応用,ゲノムコホート研究,Structural variation,精神疾患のゲノム研究などをテーマに開催した.本領域の研究成果の社会への還元を目的として市民公開講座を開催した.
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