本研究は、脳の神経回路の機能解明を目指す特定領域研究(領域番号020 : 神経回路機能)の総括班として、研究方針の決定、研究項目の策定、研究の評価と情報発信などを行う。神経回路は、動物の身体が出来上がるにつれて「形成」され、成長・発達につれて機能的に「成熟」する。動物が成体となるまでに、脳領域の特異性に応じて「発現」される個々の神経回路の独特な機能が完成する。本研究領域では、様々な研究手法を結集してこれら3つのプロセスの解明を目指す。このため、A01 : 神経回路の形成、A02 : 神経回路の機能的成熟、A03 : 神経回路の特異的機能発現、という研究項目を設定し、12名の研究者による計画研究と総括班を置いた。これに公募研究を加え、「脳の神経回路の機能解明」をめざして研究を推進した。また、本領域は、同時に発足した脳関連の4特定領域研究(018 : 統合脳、019 : 高次脳機能学、021 : 分子脳科学、022 : 病態脳)との密接な連携と協力の下に、統合脳5領域として運営されている。8月に統合脳5領域合同のワークショップと、計画班員および公募班員が一同に会し、最新の研究知見について情報交換を行うとともに、脳研究の階層を越えて他の4領域の研究者と積極的に交流した。また、第1回の領域班会議を開催した。12月には、統合脳5領域合同で公開シンポジウムを開催した。また、第2回の領域班会議を開催し、計画班員と公募班員が研究発表をおこなった。また、8月と12月に本研究領域の総括班会議を開催して、神経回路機能の研究方向、運営、などについて討議するとともに、領域内の評価委員の評価・助言をいただいた。
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