研究課題/領域番号 |
16072211
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
増原 宏 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60029551)
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研究分担者 |
朝日 剛 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20243165)
今元 泰 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助教授 (80263200)
開 祐司 京都大学, 再生医科学研究科, 教授 (40144498)
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キーワード | 単一細胞 / 蛍光イメージング / フェムト秒レーザー / アクチィンフィラメント / 緑色蛍光蛋白質 / 衝撃波 / 形態変化 |
研究概要 |
集光したフェムト秒レーザーにより発生させた衝撃波を利用して、単一細胞の操作と局所反応の観察制御を可能とする新手法の開発を図っている。全反射照明蛍光顕微鏡、共焦点蛍光顕微鏡に高強度フェムト秒レーザーパルスを導入し、時間分解蛍光イメージングおよびスペクトル測定が可能な実験装置の構築を行った。作製した装置を使って、特に本年度は、衝撃波が単一細胞におよぼす影響を明らかにする第一歩として、衝撃波による細胞内アクチンフィラメントの構造変化とその後の再生挙動の観察を中心に研究を進めた。 化学的遺伝子導入法により緑色蛍光蛋白質(EGFP)修飾したアクチンを発現させたマウスNIH3T3細胞を倒立顕微鏡下に配置し、細胞の横15μmの位置に集光したフェムト秒チタンサファイアレーザー(800nm,120fs,0.32μJ/pulse)により発生した衝撃波により誘起される細胞の構造変化を全反射照明による蛍光像観察により調べた。EGFPの蛍光像からレーザー照射前の細胞内ではアクチンフィラメントの繊維状の構造が確認された。その繊維状構造が衝撃波により細胞内の複数の箇所で分断され、その後1時間程度の時間をかけてもとのようなフィラメント構造に再生していく過程をリアルタイムで観察することに成功した。また、衝撃波で切断された直後には、切断部付近でのアクチンの凝集あるいはアクチンの合成が活発となることを示唆するデータを得た。 またNIH3T3細胞の培養液に100nmサイズの金ナノ粒子を分散させ、単一細胞の近くに単一金ナノ粒子が存在していることを確認し、そのμm近傍にフェムト秒レーザーパルスを集光させるとある確率で金ナノ粒子が細胞内に導入できることを見いだした。
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