研究課題
本研究では顕微鏡技術とレーザー技術を用いて単一生細胞でおこる反応の新しい計測法の開発と、それを駆使した反応ダイナミクスの実時間・実空間解析を進めている。本年度は、数100nmの空間分解能を持ち、非発光物質でも計測可能な光散乱分光スペクトル測定・イメージングシステムなどの動的計測法の構築ならびにレーザー照射による細胞形態変化ダイナミクスの解析を行った。以下に主な成果を示す。1.単一細胞内反応計測のための顕微光散乱分光システムの開発フェムト秒白色光をプローブ光とした共焦点光散乱顕微分光・イメージングシステムを開発した。高分子フィルム中に分散させた単一金ナノ粒子(直径100nm)の測定からサブμmの空間分解能(平面方向が約300nm、光軸方向が約800nm)で広帯域(400〜800nm)レイリー散乱分光イメージングが可能であることを示した。本手法を用い、マウスNIH3T3細胞内部に取り込まれた金ナノ粒子(100nm)の三次元イメージと各ナノ粒子の光散乱スペクトルの同時取得に成功した。2.フェムト秒レーザー刺激による細胞形態変化と蛍光分光イメージング緑色蛍光タンパク質(EGFP)修飾アクチンを発現させたマウスNIH3T3細胞を試料とし、細胞内のアクチンストレスファイバー、細胞皮膚、糸状仮足をフェムト秒レーザー照射し、その後の破壊と再生過程を顕微蛍光イメージングにより観察した。アクチンストレスファイバーの場合には切断後10秒以内に1〜4μm収縮し、その後数10分から数時間かけて再生する様子を観察することに成功した。3.赤色光照射に伴う高度好塩菌の単一細菌内pH変化の測定(班内共同研究)高度好塩菌(Halobacterium salinarum S-9)内のpHが赤色光照射に伴い変化する過程を、単一細菌について調べた。顕微鏡下でpH感応性色素を導入した1個の細菌をレーザートラッピングしながら顕微蛍光測定を行った。
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