平成20年6月に、取りまとめの公開シンポジウムをタワーホール船堀(東京)にて実施した。このとき代表的な研究成果を中心に公開し、成果を社会に対して発信した。これらの研究成果は、生命現象の化学的解明に飛躍的な進展や新戦略による創薬にも直結するため、製薬に代表される産業界においても有用であり、公開シンポジウムでは企業の研究者も幅広く参加した。また、本特定領域研究では、各研究項目の計画研究班員と公募班員の間での緊密な共同研究体制を構築することを重要課題として掲げた。これまで、公開シンポジウムやHPにより研究者の相互の理解を深め、有機的連携と緊密な共同研究体制を構築した。現在までに、30組以上の領域内共同研究が進行中であり、成果があがりつつある。 また、最終報告も平成21年3月に作成した。この最終報告書にはおのずと解決された問題と、さらに解決されなかった問題(既存の学術誌等には投稿できない)が例示されることとなるため、この方面の研究者にとって研究課題が容易に見つけ出せるバイブル的な存在になるように留意し整理した。また、班員、研究協力者、班友の業績を中心としたテキスト「天然物の全合成 : 2001〜2008」の編纂を行った。現在最終校正の段階にあり、平成21年中に発売可能な状態にある。本特定領域ではすでに50を超える生理活性天然物(生体機能分子)の全合成を達成している。それらを網羅する本書は、インパクトが大きい。
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