研究課題/領域番号 |
16073205
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
福山 透 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (10272486)
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研究分担者 |
菅 敏幸 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教授 (10221904)
徳山 英利 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教授 (00282608)
横島 聡 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (10376593)
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キーワード | 抗ガン剤 / エクチナサイジン743 / Ugi反応 / 短工程化 / ビンブラスチン / 高活性 / 類縁体 / マンザミン |
研究概要 |
まず、次世代の抗ガン剤として強く期待されているエクチナサイジン743のグラムスケールでの供給を可能とする合成ルートの開発を行なった。まず、左右の両セグメントの効率的合成方法の開発を行った。また、以前の合成ルートではUgi反応の4成分連結反応を鍵反応として用いることでその収束的な全合成を達成していた。本年度は、このUgi反応で得られる化合物のアミド部分が切断可能なイソニトリルの開発することで、さらに汎用性の高い方法論とすることに成功した。これらの方法論や知見を活用することでさらなる全合成ルートの短工程化が大きく期待される。また、抗癌剤として広く使われているビンブラスチンも高活性な化合物の探索を目指し、多様な類縁体が容易に合成可能なルートの開発を行なった。以前の合成ルートの更なる効率化を行なうと共に、上部ユニットの側鎖部分に多様な化合物が合成可能な方法論の開発に成功した。この方法論で得られる類縁体の中から、活性が強く副作用の少ない薬剤の発見が期待される。また、強力な抗腫瘍活性物質として単離され、最近では強力なマラリア活性も有することから注目を集めている、海洋産アルカロイドのマンザミンの合成研究も開始した。大環状アミン部分の構築には我々が開発したNs-strategyを用いることで達成できると考えている。そのため、効率的な合成の鍵となるのは、中心コア部分の合成であると考えている。本年度は、この中心部分である多官能基性の6員環の構築が、不斉Diels-Alder反応によりを立体選択的に構築できることを見いだした。
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