研究課題/領域番号 |
16073215
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
供田 洋 北里大学, 薬学部, 教授 (70164043)
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研究分担者 |
猪腰 淳嗣 北里大学, 薬学部, 助教授 (30151640)
小山 信裕 北里大学, 薬学部, 助手 (60439156)
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キーワード | 脂質代謝 / 循環器・高血圧 / 微生物由来機能分子 / 感染症 / 医療福祉 |
研究概要 |
脂質代謝制御の観点から、生活習慣病と感染症に焦点を当てて、微生物資源を対象に脂質代謝を制御する機能分子の探索に力を入れた。その評価系として1)動脈硬化の初期病巣に認められるマクロファージ脂肪滴形成を阻害する化合物を選別する評価系(生活習慣病)、2)抗真菌剤(エルゴステロール生合成阻害剤)の活性賦活化物質を選択する評価系(感染症)、3)細菌の細胞壁合成に重要なイソプレノイド生合成経路のundecaprenylpyrophosphate合成酵素(UPPS)阻害物質を選択する評価系(感染症)を基軸に行なった。その結果、1)からは真菌が生産する新規骨格(セスキテルペンとポリケチドを有する)のsespendoleおよび海洋由来真菌の生産するisobisvertinolを発見し、その生合成経路について証明あるいは考察した。2)の評価系からは真菌由来のcitrinamide類とtensidol類を発見した。3)の評価系からは真菌由来の既知物質であるviridicatumtoxin類を同定した。本物質がUPPSを阻害することは初めての知見である。 今期、新しい評価系として、泡沫化したマクロファージを普通のマクロファージに戻す評価系を構築し(脱泡沫化)、既存の化合物300種について活性の有無を測定している。 既に報告した脂肪滴形成阻害剤phenochalasin Aについて作用機序の解析を進めた。繊維状アクチンを蛍光染色し、共焦点レーザー顕徴鏡で観察した結果、類縁体のcytochalasin Eとは全く異なる作用を示していた。本化合物は従来のcytochalasin類とは作用機序が異なる可能性が示唆される。また、beauveriolide類(脂肪滴形成阻害剤、コレステロールアシル化酵素を阻害)の結合タンパク質を解析するため、ビオチン標識した誘導体を合成した。ミクロソームをタンパク質源として標的タンパク質を探索している。細菌由来のlariatin類(抗結核作用、細胞壁合成阻害と予測)Tについても標的タンパク質を探るプローブの合成を試みた。
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