研究分担者 |
大場 正昭 京都大学, 工学研究科, 助教授 (00284480)
張 浩徹 京都大学, 工学研究科, 助手 (60335198)
植村 卓司 京都大学, 工学研究科, 助手 (50346079)
稲垣 伸二 豊田中央研究所, フロンティア研究部門第7グループ, グループリーダー
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研究概要 |
多孔性錯体は、高い空隙率と比表面積、規則構造、設計性を併せ持ち、天然ガス(メタンなど)、水素の吸蔵材料として非常に期待されている優れたマイクロポーラス物質である。また、これらは無機イオンまたはクラスターと有機分子が融合した物質であるため柔軟で動的な細孔骨格が期待できるユニークな物質系でもある。一方、マイクロ孔により吸着されるゲスト分子は小分子に限られるが、H_2,O_2,CO,CO_2,CH4,N2,NO,C_2H_2などは資源、エネルギー、環境、生体機能に大きく関わる重要な鍵物質である。本研究ではこの多孔性錯体のマイクロ孔を自在に構築して、ゲスト分子の吸蔵(貯蔵)、分離を分子レベルで制御する精密化学を構築し、さらにゲスト分子の特異的凝集構造を創製して未開拓の機能と物性を探求してその設計原理を解明し、全く新しい配位空間中でのゲスト分子集積化学を創成することを目的としている。本年度は、1)柔軟な骨格から生み出される細孔機能の創製に成功した。(2)また、アセチレンの高濃度濃縮に成功し、Nature誌に掲載された。さらにこれら成果を、英国化学会誌、日本化学会誌の総説としてまとめ、世界に発信した。
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