研究課題/領域番号 |
16074212
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
北川 宏 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (90234244)
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研究分担者 |
山内 美穂 九州大学, 大学院・理学系研究院, 助手 (10372749)
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キーワード | 固体イオニクス / プロトン伝導 / 配位高分子 / 金属錯体 / 固体電解質 / プロトン共役レドックス / プロトニクス / 配位空間 |
研究概要 |
金属ナノ粒子では、表面積が極めて大きいことから、水素を大量に収蔵することや水素吸蔵過程のレスポンスが速いことが期待される。また、金属ナノ粒子は、その表面を有機ポリマーでコーティングすることによって、精密にサイズ制御されかつ空気中で安定な系となる。この系に高密度に水素を吸蔵させると、プロトン核の波動関数の重なりが生じ、量子波動性や超伝導性の発現が期待される。本研究により、この金属ナノ粒子系において特異な水素吸蔵特性を見出した。白金は長い間水素吸蔵しないと考えられてきたが、ナノ粒子化することによってバルクに比べて数百倍吸蔵することが明らかになり、X線構造解析やNMRの測定から、バルクでは熱力学的に不安定な水素化物相(β相)が安定化し水素吸蔵することが明らかになった。またパラジウムナノ粒子では、吸蔵された水素の粒子波動性をプロトンのトンリング現象を通じて初めて観測することが出来た。さらに、コア・シェル型Pd/P+金属ナノ粒子において、効率的な水素吸蔵特性を見出し、水素処理により原子レベルの固溶体型合金化に成功し、新型貴金属触媒を創製を行うことが出来た。このように、配位空間やナノスケールの材料を用いて、固体高分子型燃料電池の電解質として実用化されているナフィオンと同程度のプロトン伝導性が達成された。また、水素を吸蔵しないと考えられてきた白金がナノスケール化することによって水素吸蔵するという、常識をくつがえすようなことが実現され、他方パラジウムナノ粒子内では、量子効果による水素の量子波動性が見出された。
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