研究課題/領域番号 |
16074212
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
北川 宏 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (90234244)
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研究分担者 |
山内 美穂 九州大学, 大学院・理学研究院, 助教 (10372749)
山田 鉄兵 九州大学, 大学院・理学研究院, 助教 (10404071)
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キーワード | 環境材料 / 構造・機能材料 / ナノ材料 / 燃料電池 / 複合材料・物性 |
研究概要 |
本研究を推進するにあたっての基本的な考えと目標基本的な構想は、21世紀の環境重視という強い社会的背景の中で、水素が持つナノプロセス機能やエネルギー貯蔵の媒体としてのポジティブな機能を総合的に理解するとともに、その特性を飛躍的に向上させることである。本研究では、以下の三つの成果を上げた。 1.精密なサイズ制御によるナノスケール物質群の構築 2.ナノ格子への水素侵入による結晶構造や電子状態の変化(ナノプロセス機能)の解明 3.100℃以下で1 mass%を超える水素を含有できる高密度水素ナノ吸蔵体の創出 PtとPdとのバルク合金は固溶体を作らず相分離する。それゆえにコア・シェル型構造をとり得るわけであるが、申請者は水素によるナノプロセスにより、完全な合金化に成功した。Pdのコア部分に薄いPtのシェルをコーティングしたものに、水素処理を行うことにより、少量のPtを含むナノ完全固溶体合金を作製した。水素吸着能が高いPtを少量Pdに混ぜることにより、水素吸蔵量が向上した。この水素によるナノプロセス機能の解明を、EXAFS構造解析や固体NMR法、第一原理計算、PCT測定、XPSなどを駆使して、徹底的に解明を行った。金属や合金のナノ粒子の粒径サイズとコア・シェル構造の最適化を図り、水素吸蔵量(質量)が3%を凌駕する「高密度水素吸蔵体」の実現への方針を得た。
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