研究課題/領域番号 |
16074217
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
城 宜嗣 独立行政法人理化学研究所, 城生体金属科学研究室, 主任研究員 (70183051)
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研究分担者 |
杉本 宏 独立行政法人理化学研究所, 城生体金属科学研究室, 研究員 (90344043)
永野 真吾 独立行政法人理化学研究所, 城生体金属科学研究室, 専任研究員 (60286440)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2007
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キーワード | 金属酵素 / 物質変換 / 金属蛋白質 / 情報変換 / 配位化学 |
研究概要 |
本研究においては、金属錯体を活性中心に含む金属蛋白質および金属酵素を研究対象とし、その配位空間を利用した物質変換と情報変換の機構を分子レベルで明らかにした。具体的には、物質変換を行う金属酵素として一酸化窒素還元酵素と二原子酸素添加酵素、情報変換を行う金属蛋白質として酸素センサー蛋白質を取り上げた。一酸化窒素還元酵素は、急速凍結法をESR法を組み合わせ、二核鉄錯体の活性中心における反応機構を提案した。また、膜結合型蛋白質である本酵素の構造解析にも世界で初めて成功し、構造を基盤に提案した反応機構を議論することにも成功した。哺乳動物においてトリプトファン代謝の重要な酵素である二原子酸素添加酵素(インドールアミン2,3ジオキシゲナーゼ)の構造を世界で始めて報告し、その構造を基盤に触媒反応の分子機構を提案した。鉄に結合した酸素分子と酵素に結合した基質(トリプトファン)との空間的な配置が触媒反応において重要な要因であると結論した。根粒菌の存在し、酸素濃度を感知し、窒素固定酵素の発現を制御している酸素センサー蛋白質において、鉄配位空間において酸素を他の二原子分子(一酸化窒素、一酸化炭素)と見分ける機構を提案した。また、この酸素センサー蛋白質と類似の構造を持つと考えられる好熱菌のセンサー蛋白質の低分解能構造解析に成功し、分子内および分子間での情報変化の経路を同定し、その機構についても議論した。
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