研究課題/領域番号 |
16074218
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 首都大学東京 (2005-2007) 独立行政法人産業技術総合研究所 (2004) |
研究代表者 |
春田 正毅 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 教授 (10357824)
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研究分担者 |
武井 孝 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 准教授 (00197253)
石田 玉青 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 助教 (90444942)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2007
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キーワード | 環境・化学プロセス / ナノ材料 / 環境材料 |
研究概要 |
金はバルクの状態では不活性であると考えられてきたが、平均粒子径が10nm以下になると優れた触媒活性を発現することが知られている。特に、直径が2nmを切ったクラスターになると量子サイズ効果により劇的な物性変化が起こることから、ナノ空間を利用して金をクラスター寸法で分散・固定化することができれば、新たな触媒の開発に繋がると期待される。本研究では、金属錯体や孔径が異なる5種類の多孔性配位高分子を対象に金をクラスター状にして分散・固定化することを試みた。昇華性の有機金錯体であるジメチルAu(III)アセチルアセトナートと粉末担体とを固相で粉砕混合した後、120℃で水素還元することにより、平均粒子径2nm前後の金クラスターを担持することに成功した。これは既製の高分子材料に金のナノ粒子やクラスターを担持する方法として、原料費は効果ではあるが、簡便性、粒子径制御の容易さの点から非常に有用であり、今後徐々に世界に普及していくと想定される。得られた金クラスター触媒を気相での一酸化炭素、水素の酸化について調べたところ、金が非常に小さいにもかかわらず、高分子が耐えられる150℃まででは全く触媒活性を示さなかった。このことは、気相酸化では、酸素分子を低温で活性化するために卑金属酸化物を担体として用いることが必須とする我々の仮説を支持する結果である。一方、グルコースや芳香族アルコールの液相酸素酸化では、高分子担体の種類に依存して、触媒活性を発現する。特に、アルカリを加えない単純系での液相酸化では、卑金属酸化物や炭素材料を担体として用いた場合より優れた生成物選択性を示すので、将来の発展が期待される。
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