研究概要 |
今年度は、海底長期観測設置航海を計画研究ウと共同で実施するとともに、前年度に引き続き既存データのコンパイルなどを進めた。実績の概要は以下の通りである。 (1)機動観測に使用する装置の製作 長期型海底電磁力計(OBEM)を6台作成した。他に、ビーコン、フラッシャーなどの付属品や電池等の消耗品を購入した。また、観測準備および設置航海における作業の一部をメーカーに外注した。 (2)11台の長期型海底電磁力計のフィリピン海への設置 計画研究ウとの協力により、10月5日〜26日のJAMSTEC「かいれい」航海において、前年度および今年度に購入した10台に現有品1台を加えた合計11台のOBEMをフィリピン海に設置した。 (3)解析手法の開発・改良 本研究者らが世界に先駆けて実用化した電磁気トモグラフィー解析手法では,数値計算のメッシュサイズが水平方向に2度(約200km)であり,海底機動観測の解析には用いることができない.従来のコードでは地表の磁力計と海底ケーブルのデータを扱っていたものに,海底機動観測データを加えることができるように改良を前年度に継続して進めた. (4)国内外の既存の電磁気観測データの収集・コンパイル すでにデータベース化している海半球観測ネットワークの電磁気長期観測データに加えて,研究対象地域およびその周辺で行われている長期地磁気観測(グアム,ハノイなど)や海底ケーブルデータ(日韓,沖台など),過去に行われた海底観測データなどのコンパイルし、解析を進め (5)遷移層内の水の分布の推定 計画研究カとの協力で、遷移層の電気伝導度構造から水の分布を求め、結果を論文に公表した。
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