研究課題
特定領域研究
新しい物質設計の理論的指針を開発し、これに基づく高温超伝導体の実験的研究を行い、主に以下の成果を得た。先ず理論的には、強相関電子系における電子相関からの超伝導を支配する理論的要因を、バンド構造・フェルミ面形状、相互作用距離、多バンド効果、電子・電子と電子・フォノン相互作用の共存効果、などの点で解析し、設計指針を与えた。方法としては、DMFT、DMRG、LDF, FLEXなどを駆使した。また、ミクロな理論模型により、銅酸化物高温超伝導体、三角格子上でのCo酸化物超伝導体を研究した。コバルト酸化物においては、諸物性が、特異なバンド形状と電子相関の協力効果として統一的に理解できることを示した。また、鉄系超伝導体に対する微視的5軌道模型を構築し、s±波超伝導を提唱した。また、Niを念頭においた遷移金属における電子相関からの金属強磁性について、多軌道の効果と結晶構造の効果の両者が本質的に重要であることを初めて理論的に示した。さらに、非平衡強相関系の物理を、モット絶縁体の誘電破壊に対して理論的に解明し、多体系におけるランダウ・ゼナー非断熱遷移という描像を与えた。実験的には、Bi系高温超伝導体では、結晶乱れが超伝導転移温度を低下させる要因となっていることを、乱れの制御とSTM/STSを用いたミクロな電子情報とをフィードバックさせることにより明らかにし、これをもとに乱れを減らしたBi_2Sr_2CaCu_2O_<8+δ>のTcを98Kまで上昇させることに成功した。バナジウム化合物については、実験的に圧力・温度相図を確立し、超伝導相が電荷秩序相、磁気秩序相と競合していることを明らかにした。
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