研究課題/領域番号 |
16076207
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
宮野 健次郎 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (90167677)
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研究分担者 |
岡本 博 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (40201991)
田中 耕一郎 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90212034)
有馬 孝尚 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (90232066)
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キーワード | 光誘起相転移 / 金属・絶縁体転移 / 電気磁気効果 / 光スイッチング / マルチフェロイックス / ポンプ・プローブ分光 / 強磁場下X線回折 / テラヘルツ |
研究概要 |
光誘起相転移:(1)一次元モット絶縁体BEDTTTF-F_2TCNQのフェムト秒ポンププローブ分光測定を行い、分子あたり0.003光子の弱励起においても、金属的な反射率変化の挙動を見出した。これは、一次元モット絶縁体に特有のスピン電荷分離に基づくものであると考えられる。さらに、光励起状態の超高速緩和の機構を明らかにするために、20フェムト秒の時間分解能を有するポンププローブ分光測定系を構築した。(2)Mn酸化物薄膜の永続的光誘起絶縁体・金属転移を詳細に調べ、10μmにも及ぶ相分離状態が存在し、その存在様式は、履歴、外場の種類と強さなどに敏感に依存することを明らかにした。その挙動は、複雑系の典型であるソフトマターと極めて類似し、複雑系で知られている現象論的解釈が、巨大応答をよく記述することを見出した。(3)高スピン常磁性相が全ての温度域で安定な複核スピンクロスオーバー錯体に光誘起相転移を起こし、熱的には得られない低スピン-高スピン中間層を数時間以上の寿命で得ることに成功した。(4)量子常誘電体KTaO_3の光励起キャリアは局在状態にトラップされ、トンネリングにより緩和励起子を構成するという過程によって、現象が統一的に理解できた。 電気磁気効果:巨大な電気磁気効果(交差相関)を示すペロブスカイト型Mn酸化物の無磁場下での磁気構造が横滑り型らせん磁性であることを、中性子散乱磁気構造解析により直接示した。 強磁場X線回折装置:村上班と共同で、KEK-PFに8Tの磁場印加X線回折測定システムを構築、他の班との共同研究を開始した。巨大な電気磁気効果を示すMn酸化物の不整合反強磁性の波数の変化、巨大磁気抵抗効果を示すMn酸化物における電荷・軌道整列状態の融解、スピネル型酸化物における磁場誘起構造相転移、希土類硼炭化物の磁場下での相図の測定に成功した。 テラヘルツ・ニアフィールド顕微鏡を構築した
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