研究課題/領域番号 |
16076210
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
吉村 一良 京都大学, 大学院理学研究科, 教授 (70191640)
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研究分担者 |
前野 悦輝 京都大学, 大学院理学研究科, 教授 (80181600)
山田 耕作 立命館大学, 理工学部, 講師 (90013515)
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キーワード | エキゾチックペアリング / 磁性超伝導 / フラストレーション / スピン三重項 / 電子相関 / 核磁気共鳴 / 量子臨界点 / 核磁気緩和 |
研究概要 |
強い磁気相互作用を媒介とした新たな超伝導発現機構を持ったスピン一重項d波やスピン三重項p波・f波のクーパー対対称性を有したエキゾチック・ペアリング超伝導体の探索合成・物性評価を行い、その理論的解明を目的に研究を行っている。対象物質としては、幾何学的フラストレート系の三角格子やカゴメ格子を含む層状酸化物である。その結果、水を層間に挟んだコバルト酸化物系で発見されている超伝導体NaxCoO2・yH20に関して、核磁気共鳴(NMR)によるナイトシフトや核四重極共鳴(NQR)による縦緩和時間の測定を詳細に行うことによって、三角格子の磁気相関を媒介した超伝導体であることを実験的に明らかにした。さらにソフト化学の手法を用いてその超伝導転移温度Tcが連続的に変化する試料を合成することに成功し、それらが59Co核のNQRの共鳴周波数νQによって系統的に整理できることを見出し、超伝導・磁気相図を作成することに成功した。その結果、この系の超伝導相は、強磁性的な磁気相と隣接していることが明らかになり、超伝導機構が磁気的な相互作用を媒介している可能性が明らかになった。理論的にも軌道縮退と小ホールによる強磁性揺らぎを介してp波またはf波のスピン3重項ペアリングを形成する超伝導となることを示し、実験結果を説明することが明らかになった。また、Co系以外の成果としては、銀のカゴメ格子を含む層状酸化物Ag5Pb2O6が転移温度はきわめて低いが第1種超伝導を示すことを見出した。その他、T1を含むRu系パイロクロアの金属絶縁体転移において一次元的なハルデンチェーンが形成されている事を明らかにした。また、高温超伝導体(T1系)に関して弱磁場でのNMR実験を詳細に行うことによってVortex Coreの振る舞いを調べ、ブラッググラスになっていることを示した。また理論的には、相関の強い電子系の超伝導の転移温度を求める理論を確立し四次摂動を用いた理論計算によって確かめた。
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