研究課題/領域番号 |
16077201
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
尾中 敬 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (30143358)
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研究分担者 |
宮田 隆志 東京大学, 大学院・理学系研究科, 准教授 (90323500)
上野 宗孝 宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部・宇宙科学術センター・ミッション機器グループ, 副グループ長 (30242019)
山村 一誠 宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部・赤外サブミリ波天文学系, 准教授 (40322630)
岡本 美子 茨城大学, 理学部, 准教授 (10343469)
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キーワード | 遠・中間赤外線 / 星周円盤 / 星間塵 / 惑星系形成 / 赤外線衛星 / 「あかり」衛星 / 中間赤外サーベイ観測 / 中間赤外線分光器 |
研究概要 |
「あかり」衛星による全天サーベイ観測の点光源の抽出を行い、中間赤外線で約85万天体、遠赤外線で約6万天体のカタログの作成を完了した。これらのカタログは平成21年度内に一般に公開予定である。このカタログを用い、18ミクロンで超過のある主系列星の探査をおこなった。この結果、あらたに検出された7天体を含む14天体で超過が観測ざれた。これらの天体について、地上望遠鏡およびSpitzer宇宙望遠鏡により追観測を行い、これまで遠赤外源の超過で検出されていたデブリ円盤また天体とは異なり、これらの円盤ではダストの進化の兆候がはっきりと認められることを明らかにした。これらのデブリ円盤天体は、定常的な微粒子供給では説明できない大きな超過が見られることから、微惑星サイズの天体の衝突により多量の微粒子が生成されていると考えられ、惑星系形成とより密接に関連するタイプの天体であることが示唆される。一方、中間赤外線全天サーベイカタログ中に含まれる星の性質を調べ、若い星と進化した星を切り分ける方法を示し、大マゼラン雲の星に適用した。また、すばる望遠鏡を用い、大質量星の周囲に存在する円盤を中間赤外線での直接撮像で初めて検出した。この結果は少なくとも一部の大質量星では、中・小質量星と同じように原始惑星系円盤から星生成が進んでいくことを示す一方、大質量星では光蒸発による円盤の消失過程も早く進行すること明らかにした。さらにこれらの観測的研究と平行して、次世代の中間赤外線観測で重要となるイメージスライサーを持つ観測装置の開発を行い、十分な性能をもつスライサーの開発に成功した。
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