研究概要 |
・結晶化シリケートの新しい生成メカニズムの発見 ダスト表面における化学反応エネルギーによってアモルファス・シリケート粒子を結晶化させることができることを理論計算から発見した.本計画研究の実験グループによって実証を行い,理論的予想を裏付けた.以上の成果は専門誌に投稿中である. ・ミクロンサイズ粒子の衝突実験 これまで微粒子のハンドリングの困難さのため,ミクロンサイズの粒子の衝突実験はなされていなかったが,氷およびシリケイト微粒子から成るアグリゲイトの衝突実験が可能になりつつある. ・ダスト集合体の3D衝突シミュレーション・コードの完成 原始惑星系円盤におけるダストから微惑星への成長の素過程であるダストの衝突付着現象の3D数値シミュレーションのコード開発を行った.今年度はこのコードをを2次元衝突に適用し,さまざまな条件下での衝突付着のシミュレーションを行い,衝突付着条件,密度進化を定式化した.この結果は現在,専門誌に印刷中である. ・ダスト集合体による光散乱のコード開発 ダストアグリゲートの偏光等の光学的性質を計算するコードの開発およびそれを用いた偏光計算を行いつつある.これとともに観測のモデリング,偏光生成メカニズムの基礎研究を行いつつある. ・粒子サイズ,形状,温度と赤外スペクトルの相関の明確化 微結晶サイズおよび形状と赤外吸収スペクトルとの関係を明らかにした.加えて赤外スペクトルの温度変化を系統的に解明した.
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