研究概要 |
本研究では, 特殊温度環境下で利用できるアクチュエータの開発を行っている。本年度は特殊温度環境下(-273〜600℃)で使用できるマイクロ鉄ガリウム合金アクチュエータに関して以下の検証を行った。(i) 高温環境下での磁歪特性の検証高温用コイル, セラミック冶具, Fe-Gaロッドにより構成した磁歪アクチュエータに関して電気炉内700℃までの雰囲気温度下での変位を測定した。その結果, 磁歪材料のキュリー温度である700℃まで変位が発生し, また繰り返しの温度サイクルにおいても磁歪特性が維持されることを確認した。(ii) マイクロ球面モータの作製1mm角6mm長のFe-Ga磁歪ロッドに十字溝を入れた磁性ヨークを基本とするマイクロ球面モータを試作, 1kHz, 0.2Aのノコギリ波電流でのコイレの励磁により1mm径の球体を2次元で駆動できることを確認した。 バイメタルを用いた熱駆動型アクチュエータに関しては, バイメタルの代わりに単一金属(ステンレス, 真鍮)の帯を振動子に巻いた場合でも自励振動が発現することを発見し, 材質による振動特性を詳細に測定した。また振動子(アルミ)を中空にすることでバイメタルの冷却効果が増加し, 振動開始温度を50℃以下と劇的に減少できることがわかった。
|