研究概要 |
高齢化社会を迎えて,福祉・介護やリハビリテーション支援などの目的で人間と身近で作業を行う人間支援ロボットの開発が求められている.このようなロボットは,身体と同等の柔軟性やしなやかさを有することが望ましく,これを駆動するアクチュエータには,小型・軽量・柔軟なことが求められる. 本研究では,このような要件を満足するアクチュエータとして空気圧ゴム人工筋に着目し,これを身体に装着して要介護者や介護者の動作を支援するウェアラブルパワーアシスト装置を開発した.主な内容は下記の通りである. 1)フラット型空気圧ゴム人工筋の開発 身体への直接装着やコンパクト化のため,矩形断面に近い構造を有するフラット型(板状)空気圧ゴム人工筋を新たに開発し,その基本特性を調べた. 2)上肢パワーアシストウェアの開発 平成16年度,17年度に開発したパワーアシストグローブについて着用者の意思に基づいた制御法を提案した.また,フラット型空気圧ゴム人工筋を用いた手首,肘の動作支援装置を開発した.これらの装置の形態は,ハードな装具を使用しない衣服上パワーアシスト装置(パワーアシストウェア)とし,小型・軽量・柔軟で着用性に優れたものとした. 3)立ち上がり動作支援装置およびリハビリテーション支援装置の開発 平成17年度に開発した立ち上がり動作支援装置の膝角度フィードバック制御系を構成するとともに,身体障害者を対象とした実証試験を通して,その有用性を確認した.同時に,パワーアシストウェアの概念を導入することにより,下肢パワーアシストウェアの実現の可能性を検討した.
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