研究概要 |
本年度は最終年度であるので、これまでに行ってきた研究のまとめを行うとともに、本研究の可能性と課題を明確化した。すなわち、まず、超音波モータの駆動制御法の研究に関しては、成果をテクノフロンティアで発表するなどしてその成果を世に広めた。すなわち、これまでに開発した超音波モータの利点・欠点を明確化した。また、超音波モータの駆動制御および解析手法に関しては、超音波モータの非線形駆動特性解析手法についてまとめるとともに、摩擦接触モデルを用いた進行波型超音波モータのトルク制御法についても可能性と課題を明確化した。さらに、ヒトの把持力分布を模倣した超音波モータ用いた義手の開発、小型超音波モータ内蔵型20自由度ロボットハンドの開発についてのまとめを行った。特に、超音波モータを用いた義手は、弾性関節の欠点である外転を防止する外装により, 簡単な構造のフィンガを実現しており、1つのアクチュエータ(超音波モータ)により5指15自由度を運動させ, ハンドの把持力を分布させることが可能な指骨部内蔵型なじみ機構および5指リンク型なじみ機構を搭載している。また、物体を包み込むため,フィンガ関節がMP関節, PIP関節, DIP関節の順に回転する設計となっており、物体の形状に応じた安定な把持状態を作り出すため,ヒトと類似した把持力分布で物体を把持することが可能である。今後、本研究で開発したロボットハンドおよび義手の実用化を図ってゆく予定である。
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