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2008 年度 実績報告書

電子分光法を用いたnano-NEMCA現象の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16079205
研究機関東京大学

研究代表者

山口 周  東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (10182437)

研究分担者 樋口 透  東京理科大学, 理学部, 助教 (80328559)
尾山 由紀子  東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (00345373)
小林 清  物材機構, 燃料電池センター, 主任研究員 (90357020)
三好 正悟  東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (30398094)
キーワードナノイオニクス / 固体イオニクス / 空間電荷層 / ショットキー障壁 / 軟X線分光法 / NEMCA / 電極反応 / 混成電位
研究概要

Ptを溶解したGdドープCeO_2について, 酸化還元挙動を調ベ酸化によりPtは完全に酸化物中に固溶しており, 低温での還元処理により粒界近傍の固溶したサイトでのみPtを分散させる試料の作製方法を確立した.このことはXPSによる測定で, 低温で還元した試料ではPtがPt^0とPt^2+の2つの状態の存在で確認した.また, 酸化・還元と雰囲気を変化させた際の重量変化からイオン種の拡散係数の相違と析出挙動をもとに検討した結果, この系におけるPtO2の熱力学的活量は大幅に低下して酸化物が安定に存在していることがわかった.導電率測定から, 粒界近傍にのみPtを析出させた試料において, イオン伝導度が向上した.これは, Ptが酸化物中で還元されることで, その近傍に酸素空孔が注入されることになり, 空乏層を解消していると推定できる.
一方, 電子輸率が圧倒的に高い混合伝導体であるCu_2Sを電解質に用いた二端子ギャップレス型原子スイッチは, 混同伝導体電解質と可逆Cu電極と不活性ブロッキング電極の非対称電極で構成されるガルバニ電池とみなすことができ, 電圧印加により少数キャリアであるイオン移動により不定比性変調が起こりこれがスイッチングOFF状態における非線形反ショットキー型整流特性の原因であること, Cu_2Sの分極によって形成されるCuに対する酸化・還元雰囲気が銅フィラメント生成・消滅を支配していること, ブロッキング電極上にCu析出側へ分極した場合, ブロッキング電極近傍に急峻な電位分布とこれに伴う急峻なCu過飽和(不定比性)が形成されることをこれまで示してきた.このことを実験的に直接的な観察するため, 硬X線光電子分光法によりin-situ分極実験を行った.その結果, 還元側への分極で一部にCu_2S中の不定比性変化によると推定される異常な化学シフトと吸収ピークのブロード化を観察することができた.

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 学会発表 (5件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] アクセプターおよびドナーをドープしたBaPrO3の電気輸送特性2009

    • 著者名/発表者名
      菊池健夫, 三好正悟, 三室伸, 尾山由紀子, 樋口透, 山口周
    • 学会等名
      固体化学の新しい指針を探る研究会若手研究者による研究発表会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2009-03-06
  • [学会発表] Ba(Pr, M)O_3(M=Yb, Zr)におけるイオン・電子伝導特性と欠陥・電子構造2008

    • 著者名/発表者名
      田丸奏, 菊池健夫, 三室伸, 三好正悟, 樋口透, 小林清, 尾山由紀子, 辛項, 山口周
    • 学会等名
      第34回固体イオニクス討論会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2008-12-06
  • [学会発表] Chemical Thermodynamics of Pt-(Ce,Gd)O_2 Mixed System2008

    • 著者名/発表者名
      K. Yoshimura, S. Miyoshi, Y. Ovama, S. Yamaguchi
    • 学会等名
      PRiME 2008(2008年電気化学日米合同大会) 214th ECS Meeting
    • 発表場所
      ハワイ
    • 年月日
      2008-10-13
  • [学会発表] Protonic Conduction in Nano-Grained Fluorite Oxides of Y-doped Zr02 and Ybdoped CeO_22008

    • 著者名/発表者名
      Y. Akao, T. Fukuda, R. Cervera, S. Miyoshi, Y. Oyama, T. Yagi, S. Yamaguchi
    • 学会等名
      PRiME 2008(2008年電気化学日米合同大会) 214th ECS Meeting
    • 発表場所
      ハワイ
    • 年月日
      2008-10-13
  • [学会発表] Defect Chemical, Electronic and Transport Properties of Doped BaPrO_32008

    • 著者名/発表者名
      S. Miyoshi, T. Kikuchi, S. Mimuro, T. Higuchi, K. Kobayashi, Y. Oyama, S. Rhin S Yainninwhi
    • 学会等名
      The 14th International Conference on Solid State Protonic Conductors (SSPC-14)
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2008-09-08
  • [図書] 電子分光法によるnano-NEMCA現象の追及」, ナノイオニクス-最新技術とその展望-2008

    • 著者名/発表者名
      山口周, 樋口透, 尾山由紀子, 三好正悟
    • 総ページ数
      144-155
    • 出版者
      シーエムシー出版
  • [備考]

    • URL

      http://www.ionlcs.tu-tokyo.acjp/tokutei/

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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