研究分担者 |
樋口 透 東京理科大学, 理学部, 助教 (80328559)
尾山 由紀子 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (00345373)
小林 清 物材機構, 燃料電池センター, 主任研究員 (90357020)
三好 正悟 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (30398094)
|
研究概要 |
Ptを溶解したGdドープCeO_2について, 酸化還元挙動を調ベ酸化によりPtは完全に酸化物中に固溶しており, 低温での還元処理により粒界近傍の固溶したサイトでのみPtを分散させる試料の作製方法を確立した.このことはXPSによる測定で, 低温で還元した試料ではPtがPt^0とPt^2+の2つの状態の存在で確認した.また, 酸化・還元と雰囲気を変化させた際の重量変化からイオン種の拡散係数の相違と析出挙動をもとに検討した結果, この系におけるPtO2の熱力学的活量は大幅に低下して酸化物が安定に存在していることがわかった.導電率測定から, 粒界近傍にのみPtを析出させた試料において, イオン伝導度が向上した.これは, Ptが酸化物中で還元されることで, その近傍に酸素空孔が注入されることになり, 空乏層を解消していると推定できる. 一方, 電子輸率が圧倒的に高い混合伝導体であるCu_2Sを電解質に用いた二端子ギャップレス型原子スイッチは, 混同伝導体電解質と可逆Cu電極と不活性ブロッキング電極の非対称電極で構成されるガルバニ電池とみなすことができ, 電圧印加により少数キャリアであるイオン移動により不定比性変調が起こりこれがスイッチングOFF状態における非線形反ショットキー型整流特性の原因であること, Cu_2Sの分極によって形成されるCuに対する酸化・還元雰囲気が銅フィラメント生成・消滅を支配していること, ブロッキング電極上にCu析出側へ分極した場合, ブロッキング電極近傍に急峻な電位分布とこれに伴う急峻なCu過飽和(不定比性)が形成されることをこれまで示してきた.このことを実験的に直接的な観察するため, 硬X線光電子分光法によりin-situ分極実験を行った.その結果, 還元側への分極で一部にCu_2S中の不定比性変化によると推定される異常な化学シフトと吸収ピークのブロード化を観察することができた.
|