研究課題/領域番号 |
16079210
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研究機関 | 独立行政法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
森 利之 物質・材料研究機構, 燃料電池材料センター, 副センター長 (80343854)
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研究分担者 |
小林 清 独立行政法人物質・材料研究機構, 燃料電池材料センター, 主任研究員 (90357020)
FEI Ye 独立行政法人物質・材料研究機構, 燃料電池材料センター, NIMSポスドク研究員 (10450298)
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キーワード | 燃料電池 / ナノ構造化 / ナノ構造解析 / バルク固体 / 高温ナノイオニクス |
研究概要 |
「ソフト化学的方法によるナノイオニクスバルク体の創製」研究を発展させるべく、バルク体及び薄膜体中に埋もれたナノ構造が、酸化物イオン伝導、プロトン伝導及び酸素透過性能に及ぼす影響を、系統的に検討し、かつ理論的な解析を行うことで、新しいナノイオニクス分野の発展に資する材料設計手法の確立を行うことを目的とする。特に、ナノヘテロ界面の役割を明確にし、ナノ領域で起こる現象や構造の変化が、マクロ特性であるイオン伝導特性や酸素透過特性に与える影響を定量的に評価するべく、これまで同様、注意深いナノ構造と物性の相関性を検討するが、加えて、シミュレーションによる理論的解析を行い、ナノイオニクス効果の明確化を行うことを目的として実験を行った。 今年度の成果として、酸化物イオン伝導体特性が、ナノ構造のわずかな変化で、まったく現れなくなり場合と、通常どおり現れる場合があることを、全体の化学組成はまったく同じでありながら、焼結体中の粒径分布の異なる試料を、焼結手法を変えることで実証した。また、ナノ構造を明確する目的で、ナノ領域のシミュレーションを実施した結果、制限視野電子回折パターン中に現れる、ナノ領域の短距離秩序構造を反映する散漫散乱のシミュレーションに成功。その結果を、固体イオニクス国際会議で発表し、最優秀ポスター発表表彰を受賞するなど、対外的にも大いに注目される成果を残した。最終年度にこうした検討結果をまとめ、3次元バルク固体の高性能化に必要な、ナノイオニクス効果とその発現手法について整理を行う。
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