研究課題/領域番号 |
16079211
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研究機関 | 独立行政法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
寺部 一弥 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノマテリアル研究所, 主幹研究員 (60370300)
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研究分担者 |
長谷川 剛 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノマテリアル研究所, アソシエートディレクター (50354345)
長田 実 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノマテリアル研究所, 主任研究員 (10312258)
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キーワード | ナノイオニクス / 混合伝導体 / ナノファブリケーション / ナノロッド / プローブ顕微鏡 / 電気化学堆積法 |
研究概要 |
【緒言】 イオン伝導体(混合伝導体を含む)と電極とのナノ界面における個々のイオンや電子のやり取りを制御することが出来れば、このユニークなナノスケールでの性質を利用した新たなナノ・イオニクス・デバイスやセンサの創製が期待される。本研究グループでは、ナノプローブ技術などを用いて、ナノスケールでイオン伝導体や電極を構築して、そのナノ界面におけるイオンと電子のやり取りの制御技術の開発を目指している。本年度は、多孔質アルミナをテンプレートに用い、電気化学的手法によるAg_2S混合伝導体のナノワイヤの作製、および近接場プローブ顕微鏡による作製したナノ結晶の光学的評価技術の開発を行った。 【実験方法】 自作した20nmの細孔径を有する多孔質アルミナをテンプレートに用いて、電解質溶液中での二段階の電気化学的反応を利用してAg_2Sのナノワイヤ結晶を作製した。初めに硝酸銀(AgNO_3)水溶液中で銀イオンを還元することによって多孔質アルミナ中に銀ワイヤを作製した。次に、ハイドロサルファイト(HS^-)水溶液中で銀ワイヤを硫化させてAg_2Sワイヤを作製した。作製したナノ結晶の評価を電子顕微鏡やプローブ顕微鏡を用いて行った。 【結果】 アルミナテンプレート法により作製したAg_2Sの直径は20nmであり、この直径は使用したテンプレートの細孔と同じであった。このAg_2Sワイヤは、TEM観察の結果から高配向性結晶であることがわかった。また、電子線照射または電圧印加によって銀原子がAg_2S表面から析出する観察結果やAg_2Sの電気伝導度の測定結果から、作製したAg_2S結晶のナノワイヤは混合伝導体の性質を有することが確かめられた。
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