研究課題/領域番号 |
16080102
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
小松 高行 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (60143822)
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研究分担者 |
舘脇 洋 名古屋市立大学, 大学院システム自然科学研究科, 教授 (20002115)
栗田 厚 関西学院大学, 理工学部, 教授 (70170082)
築部 浩 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 教授 (00144725)
田部 勢津久 京都大学, 大学院人間・環境学研究科, 助教授 (20222119)
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キーワード | パノスコピック形態制御 / 希土類原子加熱法 / 4f電子スペクトル / 4成分相対論 / 超分子発光体 / 希土類錯体 / 光増幅材料 / ナノ結晶化ガラス |
研究概要 |
本研究班は、アモルファスあるいはナノから単結晶に至る様々な形態を高度に制御し、パノスコピック形態における希土類イオンの光物性を詳細に解明して高次に機能化された希土類系物質を創製することを目的とするものであり、本年度に得られた成果は以下の通りである。 1.館脇は、築部が見出した希土類錯体のアニオンに対するセンシング機構を理論の面から検討し、アニオン種による錯体の安定性が理論的に一致することを明らかにした。この成果は、班の連携の成果であり、今後はこのような共同研究をさらに推進ことを確認した。 2.小松は、Gd_2O_3-MoO_3-B_2O_3系ガラスにレーザー誘起原子加熱法を適用して、強誘電性を示すβ'-Gd_2(MoO_4)_3結晶から成る結晶ラインの書き込みに成功すると共に、均質な結晶ラインを書き込むためのガラス組成や)レーザー照射条件を明らかにした。さらに、光波制御デバイスとして応用が可能であることを提案した。 3.田部は、希土類含有酸フッ化物ガラスの電気炉での熱処理によって希土類イオンがドープしたフッ化物ナノ結晶を創製し、ナノ結晶化挙動を明らかにすると共に、蛍光特性を詳細に調べ、広帯域用光増幅材料として大きな可能性を有していることを提案した。 4.栗田は、Eu^<3+>およびSm^<3+>添加Y_2O_3蛍光体に対するZnO付加の効果を調べ、ZnOを加えることによって、Eu^<3+>がY_2O_3結晶に容易に取り込まれることを見出した。発光スペクトル解析からZnOの役割に対するモデルを提案した。 5.築部は、特徴あるアニオン認識機能をもつトリポード型希土類錯体をデンドリマー化した超分子発光体を開発し、新たなアニオン応答性光センシング機能の賦与に成功した。また、希土類錯体の基質結合性を表面プラズモンを用いた微量検出法(SPR法)に活用し、新たなヒスタグ融合タンパク検知法を見出した。ナノスケール化を通じて基質認識機能の高次化への展開に大きく前進した。 6.館脇は、4成分相対論分子計算においてランタニド原子を含む分子の電子状態についてCeF, GdF分子の基底状態、励起状態の研究をさらに進展させた。
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