研究課題/領域番号 |
16080212
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
巨海 玄道 九州大学, 大学院理学研究院, 教授 (00111146)
|
研究分担者 |
大橋 政司 九州大学, 大学院理学研究院, 助手 (10336000)
石田 清隆 九州大学, 大学院比較社会文化研究院, 助教授 (60108602)
櫻井 浩 群馬大学, 工学部, 助教授 (80251122)
|
キーワード | 希土類 / 高圧 / 巨大磁気抵抗 / 層状化合物 |
研究概要 |
本年度の研究目標は大きなものとして以下の3つであった。 1)希土類元素を含む新機能層状化合物の創成と電磁物性の解明(Ce系金属間化合物) 2)Fe/Tb人工格子における巨大磁気抵抗とその圧力効果 3)圧力を用いた物質制御による新機能物質の合成 これらについて今年度得られた成果で主なものを以下に示す。 1)については本年度から候補物質としてCeAu2Si2を例に取り、高圧・高磁場下で電気抵抗を測定することにより、反強磁性転移温度T_Nとメタ磁性転移磁場H_Mの圧力依存性などを調べることにより形態制御下の反強磁性の安定性を調べた。予備的な成果としてはTN, HMいずれも圧力をかけると増加することが分かった。この結果はこれまでの報告例と異なるものであった.現在20GPaまでの電気抵抗の測定を試みている。希釈冷凍機のカバーする温度領域までの実験を予定しているので量子相転移付近の電子状態が明らかになるものと思われる。 2)について:[Fe(12nm)/Tb(15nm)]_<25>及び参考物質としてTb薄膜(1800nm)を用いて電気抵抗と磁気抵抗の圧力変化を定量的に調べた。前者はヘリウム温度付近で8%の大きな磁気抵抗を示すがとめ圧力変化は小さく、3GPaの圧力でわづかに減少するという結果が出た。また高磁場で磁気抵抗を測ったがFe/Tbは30Tで20%を超える巨大磁気抵抗効果を観測した。 3)について:この研究は金属セリウムの特異な圧力-温度相図を使って物質創製を試みるといろ全く新しい試みである。圧力を3GPaとし、1600℃の条件下でCeIn_3の合成を行った。この物質は常圧下で10Kに反強磁性秩序をし、高圧下で超伝導が観測される重い電子系物質である。常圧と高圧下での合成を行い、結晶構造、磁気的性質、比熱などの測定を行った。常圧下で合成された試料は10Kで反強磁性転移に伴う異常が観測されたが高圧合成のものは10Kにおいでそのような異常は全く見られなかった。従って高圧合成で得られた試料はCeがα状態で固溶しているものと考えられる。しかしこれらについてはまだ不明な点も多く、今後の系統的な研究がまたれる。
|