| 研究概要 |
1)今年遂行された4成分相対論グループによるの研究は
(1)no-virtual-pair approximationの仮定を取り除いた場合のHe-like ionの電子状態に置ける電子相関エネルギーの理論的研究(論文1)
(2)CeF分子の励起状態を含む電子状態の4成分相対論による配置間相互作用法による理論的研究(論文2)と
実験グループとの共同研究による
(3)1価金属固体CeB_6の熱的励起による電子状態のX線散乱による研究(論文3)である。
no-virtual-pair approximationの仮定を取り除いた場合のHe-like ionの電子状態に置ける電子相関エネル
(1)相対論を用いて原子や分子の電子相関(エネルギー)を考える時には,通常Dirac-Fockで得られたspinor-energyの負の部分は捨て,正の部分のみを使用して電子相関エネルギーの計算を行うと言う近似を取る。これをno-virtual-pair approximationと呼んでいる。しかしながらHamiltonianにはそのような制限が無い。重原子He liki ionの電子相関エネルギーではno-virtual-pair approximationによる誤差が大きい。これは重い原子を含む分子の内殻の電子が関与した状態を論ずる場合にはno-virtual-pair approximationの再検討が必要なことを示唆している。
(2)CeFの電子状態の理論的取り扱いはほとんどない。4成分相対論を用いた配置間相互作用法により実験による同定の可否を論じた。
(3),CeB_6の熱的励起電子状態から得られたX線散乱の電子分布の解析を行った。基底状態の電子配置は(Ce^(3+)(4f)^1)_1(B^(0.5-)(2p)^(1.5))_6であるが,励起状態の電子配置は(Ce^(-1)(4f)^1(5d)^4)_1(B^(0.17+)(2p)^(0.83))_6であった。
1)今年遂行されたモデルポテンシャルグループによるの研究は
LnX_3分子(Ln=Ce〜Yb,X=F〜I)に関してモデル内殻ポテンシャル(MCP)を使用して高精度の分子軌道計算を行ない,構造および結合性について系統的な研究を行なった。構造についての結果は実験をほぼ再現し,MCP法の高いパフォーマンスを示してた。
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