研究課題/領域番号 |
16081204
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
坂本 宏 東京大学, 素粒子物理国際研究センター, 教授 (80178574)
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研究分担者 |
小林 富雄 東京大学, 素粒子物理国際研究センター, 教授 (50126059)
真下 哲郎 東京大学, 素粒子物理国際研究センター, 准教授 (60181640)
浅井 祥仁 東京大学, 大学院・理学系研究科, 准教授 (60282505)
上田 郁夫 東京大学, 素粒子物理国際研究センター, 助教 (70292836)
金谷 奈央子 東京大学, 素粒子物理国際研究センター, 助教 (80418780)
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キーワード | ヒッグス粒子 / 超対称性粒子 / 陽子陽子衝突型加速器 / エネルギーフロンティア / 分散解析 / コンピューティンググリッド / 多国籍 / 国際研究者交流 |
研究概要 |
物理解析では初期の実験データ(1O-1OOpb^<-1>)を用いて速やかに研究・発見を行うために、以下の4点に研究の重点を絞って研究を進めてきた。 (1)検出器キャリブレーション方法やデータクォリティーの確認方法の考案 : 具体的には、ジェットのエネルギー較正方法やエネルギー分解能の向上、横方向消失運動量のデータクォリティーの評価や向上、並びに、電子・ミュー粒子・Y線の検出効率と間違う割合の評価の3点に研究を行った。 (2)夏から開始された宇宙線を用いた実データの解析を行い、ノイズの効果や除去方法の研究、シミュレーションが正しくデータを再現しているかの検証を行った。 (3)バックグランドとなる標準模型の物理過程やその系統誤差を評価する方法を開発 : 超対称性粒子とブラックホールは初期のデータで十分発見が可能である一方で、バックグラウンドの評価が重要である。実験データからこれらを評価する方法を開発し、これの系統誤差を評価した。 (4)超対称性の発見に最適なトリガーメニューの考案 : 特に(1),(3)と関係して標準模型の物理プロセスも積極的に収集する必要があり、QCD multijet事象のトリガー開発を行った。 解析環境の面では実験開始予定の半年前には正規の運用に入る計画で準備を進めてきた。そのためのコミッショニング作業は2007年度より繰り返し行われてきたが、ATLASでは検出器からのデータをオンラインでグリッドに配布し解析を行う総合演習を2008年3月に実施した。この結果について同3月10日に記者発表を行い、朝日・毎日・日経など10紙以上に掲載された。
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